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2021.12.21

DXとは?定義や必要性、導入するメリットを成功事例とともに解説!

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昨今の日本では「DXが重要である」とよく耳にしますが、中には以下のような疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。

・DXという言葉を聞いたことがあるが内容は知らない
・DXについて具体的に知りたい
・DXの必要性について知りたい

本記事では、上記のような悩みを解決できるように、DXの意味や導入するメリット、成功事例まで徹底的に解説します。ぜひ、参考にしてみてください。

DXとは

まずは、DXの基本情報について知見を深めていきましょう。DXの意味や日本での定義について、詳しく解説します。

DXの意味

DXは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略称です。

2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授により提唱された概念になります。

意味を要約すると「進化したデジタル技術によって人々の生活をより良いものにする」ことです。英語圏においてTransが「X」と略されるため、DXと呼ばれています。

経済産業省によるDXの定義

経済産業省によって、DXは「企業がデジタル技術を用いて、ビジネスモデルを変革することにより、競争上の優位性を獲得すること」(2018年経済産業省)と定義されています。

出典:デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン) Ve

また、DXを推進しないと2030年までに12兆円の損失につながる恐れがあるとされているため、2025年までに、国内での推進が必要とされています。したがって、国内では、多くの企業がDXに取り組んでいる状況です。

DXの必要性

DXの必要性として挙げられる理由は以下の4つです。

  • 優位性の獲得と事業の継続
  • 消費者の行動形態の変化
  • 少子高齢化の影響
  • ​​2025年の崖によるDX推進の影響

それぞれ詳しく解説します。

優位性の獲得と事業の継続

DXの導入により、業務や企業の文化・風土など、会社全体の変革を施すことで優位性の獲得と事業の継続を図れます。あらゆる物が目まぐるしく変化している現代において、事業の継続を行うためには、DXでの優位性獲得が必要不可欠です。

また、日本のさまざまな企業がDXの導入に乗り出しているため、早期にDXを取り入れることが重要になります。

消費者の行動形態の変化

消費者の行動形態の変化もDXが求められている要因です。特に、インターネットやスマートフォンの普及により、消費者がオンラインで商品を比較できるようになった影響が大きいです。

今までは周辺の店舗が競合でしたが、これからは全国の店舗やECサイトが競合といえます。消費者の行動形態に合わせて、DXを取り入れなければ、競合に顧客獲得を許してしまう恐れがあります。

少子高齢化の影響

少子高齢化によって働き手が減ったため、DX導入で業務効率の改善を図る必要があります。

総務省の調べでは、2018年の段階で65歳以上の人口は28.1%に迫っており、2065年には38.4%まで上昇するとの見通しです。

参照:1 高齢化の現状と将来像|令和元年版高齢社会白書(全体版)

また、「2040年に65歳以上の高齢者の人口が、約4,000万人に達する」という2040年問題も懸念されており、高齢者人口が増えることで、現役世代1.5人が1人の高齢者を支える状況になることが予想されています。

今から20年以上は労働力が減少するため、生産性の低下が引き起こされるだけではなく、社会保障費の負担も深刻化すると問題視されているのが現状です。

参照:スマート自治体とは?|デジタルトランスフォーメーション チャンネル

社会保障の2040年問題、現役1.5人が高齢者1人を支える困難さ|日本経済研究センター

少子高齢化に関する多くの問題を解決するには、速やかなDX推進による働き方改革や働き手の確保が必要でしょう。

2025年の崖によるDX推進の影響

2025年の崖は「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが放置された場合に考えられる、国際競争への遅れと経済の停滞」などを指す言葉です。

DXレポートによると、DXが推進されないと「最大で年間12兆円の経済損失が発生する」とされています。2025年には、20年以上稼働し続けているシステムが、国内企業のシステム全体の6割に達すると考えられているからです。

参照:DXレポート|経済産業省

従来のレガシーシステムはCOBOLといプログラミング言語で設計されていることが多く、COBOLを理解できるエンジニアの多くは2025年までに定年を迎えます。

したがって、システムを第一線で守ってきた人材が大きく不足する危険性があるのです。

DXの現状

日本におけるDXの現状は、さまざまな企業が導入に動いている状況です。

しかし、人材の確保などがネックになり、思うように進んでいないという状況下にあります。

2020年で日本企業全体の74%がDXに着手導入に動いています。そして、導入した企業の約50%がDXの効果を実感しています。

出典:​​日本企業のDXはコロナ禍で加速するも推進の障壁はDX人材の育成 | プレスリリース

ここまで導入が推進されているのは、DXレポートの影響が大きいですが、新型コロナウイルスも導入を後押ししています。

DXとCXやUXの違い

CXは「カスタマーエクスペリエンス」の略であり、UXは「ユーザーエクスペリエンス」の略です。CXとUXはどちらも「サービスや商品に対しての体験を表す言葉」であり、DXとは大きく異なります。

また、CXはサポート後の対応などの体験も含まれますが、UXは商品やサービスを使ったことで得られる体験を指します。

DXとIT化の関係性

DXとIT化は混同されがちですが、意味は異なります。

DXは「デジタル技術を用いて世の中を良い方向に変革する」という概念であり、IT化はそのための手段にすぎません。IT化の意味と、DXとITの違いについて、より詳しく解説します。

IT化の意味

IT化には明確な定義はありませんが「既存の業務プロセスを維持した状態で、業務効率改善のためにツールなどを利用する」こととして使われることが多いです。

典型的なものとしては、メールやチャットツールの活用が挙げられます。

DXとIT化の違い

DXはあくまでも「デジタル技術を用いて世の中を良い方向に変革する」という概念であり、IT化はそのための1つの手段です。

したがって、DXは「ITの力を活用して、会社全体に関わるような変革」といえます。

IT化は会社内の既存プロセスをツールによって効率化することであり、比較的わかりやすい変化になります。

DX導入のメリット

DX導入のメリットは以下の通りです。

  • 業務効率化と生産性向上
  • 属人化の解消と抑制
  • レガシーシステムの刷新

DXを導入することによって、業務効率を改善や生産性向上を図れるうえに、レガシーシステムの刷新でコスト削減にもつなげられます。

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

業務効率化と生産性向上

DXの導入により、業務効率化と生産性向上を図れます。

また、人件費削減や作業時間を短縮できるだけではなく、ヒューマンエラーの減少も見込めます。

以下のような3つが、業務効率化と生産性向上が得られるDX導入の例です。

  • RPAにより、PC上の事務業務が効率化できる
  • MAにより、顧客情報やメールの優先順位をつけ効率的なマーケティングを行う
  • CRMにより、顧客管理(過去の購入履歴の管理、行動把握など)がスムーズになる

属人化の解消と抑制

DXにより、属人化の解消や抑制も期待できます。属人化とは「特定の人物のみが業務を行う」ことで、DXを導入することで特定の人物のみでしかできなかった業務を誰にでもできるような形に「標準化」できます。

生産人口の減少トレンドである日本において、ノウハウが属人的であることと、業務再現性が低いことは企業にとって大きなリスクになります。

業務が特定の人に依存しすぎていると、その人が抜けた途端に業務が回らなくなったり、変化に対応しづらかったりするため、属人化の解消と抑制はDX導入により得られる大きなメリットといえます。

レガシーシステムの刷新

レガシーシステムとは「企業内で古くから使われており、改善を繰り返した結果、複雑化してしまったシステム」のことです。レガシーシステムを刷新することで、使っていた人材や資源を別の重要なことに有効活用できます。

DXの現状で解説した「2025年の崖」から脱するには、DX導入によるレガシーシステムの刷新が必要不可欠であるといえます。

DX実現のために必要な技術とは

DXを実現に導くためには、最新の技術を活用していく必要があります。

主な技術は以下の5つが挙げられます。

  • IoT
  • 5G
  • AI
  • クラウド
  • サイバーセキュリティ
  • RPA
  • モバイル

上記の最新技術は、すでに私たちの生活に影響を与えていますが、今後さらに伸びていくでしょう。それぞれの技術について、詳しく解説します。

IoT

「Internet of Things」の略であり、今までインターネット接続されていなかったものをインターネットに接続することで、情報を集めることです。よく挙げられる例としては、スマート家電が代表的です。さらに、日本の代表的産業である自動車業界でもIoTの活用が積極的に進められています。

IoTが導入されることで、今まで集められなかった情報を収集できるようになります。新しい発見による業務効率改善や、ビジネスチャンスを見出せる可能性を秘めているため、注目度が高い技術のひとつです。

5G

5Gは「第5世代移動通信システム」のことです。4Gと比較すると、従来よりも多数のデバイスに同時接続が可能になり、大容量データを高速で通信できるようになりました。

日本では2020年から商用化されています。

AI

「Artificial Intelligence」の略であり、高度な知的作業をコンピューター上で行うことです。

ビックデータを分析することで、マーケティング及び、サービスや商品の開発に活かせます。

今後、AIは特に伸びていく技術だと考えられており、AIについての知見を深めておけば、あらゆる企業にDX人材として必要とされるでしょう。

クラウド

クラウドはストレージなどを所有することなく、インターネットを介することでサービスを利用できるようにする技術のことです。

初期費用や運用コストの削減につながるため、国内でも多くの企業が取り入れています。

例としては、Amazonが提供している「AWS」などが挙げられます。

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティとはデジタル化された情報の改ざん及び、漏洩を防ぐ手段のことを指します。

DXが広く取り入れられることで、あらゆるものがつながるため、攻撃される起点が増えてしまいます。サーバーセキュリティを取り入れることで、以下のような被害を防ぐことが可能です。

  • 偽サイトへの誘導
  • 不正アクセス
  • 脆弱性への攻撃
  • データを勝手に暗号化し操作不能にする身代金要求

RPA

「ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)」の略称であり、人が行っていた作業を機械に代替させることです。単純作業だけでなく、高度な作業も自動化できます。

RPAを導入し、作業を自動化することで、人材や時間を他のことに利用できるようになります。また、簡易型であれば自社開発が可能です。

RPAについては、以下の記事にてより詳しく解説しています。

▼関連記事
RPAとは?注目される背景やメリット・デメリットをわかりやすく解説

モバイル

モバイルとはどこでも利用できる通信機能やサービスのことです。

ITやDXにおいては、スマートフォンでできることがモバイルに当てはまります。

具体的な事例は、Webブラウザによる情報収集やWeb会議ツールでのコミュニケーションです。モバイルの普及により、クラウドやWebが身近になったため、ビジネスがより効率的に行えるようになりました。

DXで大きな成功を収めた事例

DXを取り入れている企業は多いですが、その中でも大きな成功を収め、日本においても広く認知されている企業は以下の2社となります。また、自治体の事例も1件ご覧ください。

  • Amazon
  • ZOZOTOWN
  • 石川県加賀市

Amazon

Amazonは、インターネットの小売店で消費者の購買活動を根本から変えた企業です。

企業理念である「最高の顧客体験」を念頭に、提供されている質の高いサービスを顧客が使い、その顧客情報を有効活用しています。

  • 収集されたデータを機械学習で解析
  • 短期的・戦術的な顧客関係の最適化
  • 事業施策やマーケティングなどの長期的・戦略的な施策に最適化

上記を基盤としているため、「最高の顧客体験」を実現できるのです。

また、以下のAmazonにおける要素も、DX事例として挙げられます。

  • 住所やクレジットカード情報などの必要情報さえ入力すればすぐに購入できる「1-Clickで今すぐ買う」ボタン
  • リピート購入履歴からピックアップされた商品をすぐに購入できる「Dash Button(ダッシュボタン)」
  • Amazon Echo
  • Kindle
  • レジなしコンビニ「Amazon Go」

Amazonは、AWSなどのクラウドサービスまで手がけており、世界でもトップレベルのIT企業に成長しています。

今後も、世界的な企業として躍進していくでしょう。

参照:コレ1枚で分かる「Amazonの戦略から見えてくるデジタルトランスフォーメーションの本質」

いまさら聞けない「デジタルトランスフォーメーション」ビジネスを変える3つのフェーズと2つの力(後編)|マネジメント

ZOZOTOWN

ZOZOTOWNは、DXの導入により、今までのアパレル市場を通販に移動させた企業です。

アパレル業界は、IT化が遅れている業界の1つであり、試着して決めるという文化があるためオンラインには向いていませんでした。しかし、ZOZOTOWNではマルチサイズプラットフォームの導入。作業効率化のために以下のような業務の効率化も行っています。

  • ケアラベルの自動化
  • 検寸データの連携
  • 検品データの連携
  • 進捗管理のデータ化

また、ZOZOTOWNが通販で成功したのは、人気アパレルブランドとの提携などのマーケティング手法も要因に挙げられるでしょう。

参照:ZOZOタウンの成功事例から読み解くアパレル業界のDXのポイント

ZOZOが推進するアパレル生産のデジタルトランスフォーメーション – ZOZO Technologies TECH BLOG

石川県加賀市

石川県加賀市はDXの推進により、令和2年度に139申請を電子化することに成功し、業務効率改善と住民の利便性の向上を実現しました。

石川県加賀市は、2020年8月に、行政手続きデジタル化ツール「LoGoフォーム電子申請」の導入を全国で初めて発表した自治体です。

「LoGoフォーム電子申請」は、トラストバンクの行政申請フォーム作成ツールである「LoGoフォーム」とxIDのデジタルIDアプリ「xID」を連携させたものになります。

参照:石川県加賀市が「LoGoフォーム電子申請」導入|CNET Japan

石川県加賀市が139申請を電子化した裏側を一挙公開|みんなのデジタル社会

DXを成功に導くために必要なこと

DXを成功に導くためには以下のことが必要です。

  • 目的を定める
  • 人材の確保

人材をしっかりと確保して、経営層が目的を策定することで、初めてDXを成功に導くことができます。

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

目的を定める

DXの推進を成功に導くためには、経営層による目的策定が必須です。現場だけに任せず、経営層が自ら、企業を俯瞰的に見て、どのようなDX化を行うのか検討しましょう。

目的を定める際は、CXを向上させるために、DXを取り入れるという発想が重要になります。

DXの効果を感じるためには「新しい技術を利用してみよう」といった学びを得るだけでは意味がありません。顧客のニーズと自社の戦略に沿った目的策定が必要です。

人材の確保

DXを取り入れるためには「DX人材」を企業に招き入れる必要があります。

DXはさまざまな企業が導入を検討しているため、各企業で人材を積極的に採用しています。

しかしDXを導入しようとしても、DX人材の需要が大きいため、企業は人材を確保できない可能性があります。そのため、早期で採用に動き始めることが重要です。

その際、デジタルに詳しい人を前提に探すのではなく、経営課題の解決や事業改革できる人材の中からデジタルに詳しい人を選ぶようにしましょう。

人材の例としては以下のような人が挙げられます。

  • DXコンサルタント
  • 戦略コンサルタント
  • ITコンサルタント
  • ビジネスプロデューサー
  • ビジネスデザイナー
  • アーキテクト
  • データサイエンティスト
  • UXデザイナー
  • エンジニア

まとめ

DXは「デジタル技術を用いて、世の中を良い方向へ変えていく」という概念です。IT化と間違えられ安いですが、IT化はDXを導くための手段にすぎません。

現在、日本では国がDXを促進しており、優位性の獲得や業務の継続を目指す動きが活発化しています。

DXの需要が急増するとともに、DXを導入できる副業人材やフリーランスの活躍が求められています。

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