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コンサルキャリア

2021.11.12

財務コンサルティングとは?種類や仕事内容、必要な能力から年収まで徹底解説!

コンサル募集

これから財務コンサルタントを目指す方の中には、以下のような悩みを抱えている人は少なくないでしょう。

  • 財務コンサルティングの種類を知りたい
  • 財務コンサルティングの具体的な仕事内容を知りたい
  • 財務コンサルタントに必要なスキルや知識を知りたい
  • 財務コンサルタントの年収や需要を知りたい

当記事では、財務コンサルティングの仕事内容や進め方、財務コンサルタントに求められる能力まで網羅的にご紹介します。

財務コンサルティングとは

財務コンサルティングとは組織の会計・経理・税務などの財務アドバイザリーや、M&A・事業売買に関するアドバイザリーを行う仕事です。

財務はどのような業種・職種でも事業経営のベースとなる重要領域です。クライアントの会社・ビジネスの価値や資産の状況の分析・調査を通じて、戦略プランや改善策のアドバイスを行います。

抱えている課題がクライアントによって違っているだけでなく、利害関係者が多岐に渡るため、外部の専門家として財務経験や知識を活用しての適切な応対が要求されます。

昨今は、フィンテック対応など攻めの財務コンサルティングもあれば、世間的に問題になっている粉飾決算や不正会計調査・分析など守りの財務コンサルティングなど、内容も多様です。

財務コンサルティングの種類

財務コンサルティングの仕事について、代表的な3つのジャンルを詳しく解説します。

戦略立案へのコンサルティング

経営目標の達成や経営課題の解決のために、財務的な手法を用いるコンサルティングです。経営の意思決定に対して財務面からの支援を行うため、責任が大きい案件が多くなりがちです。

具体的なテーマとしては「M&A戦略(プレ・ポスト)」、「資金調達戦略」、「IR戦略立案」、「財務分析」、「市場調査」などとなります。

経営の上流工程に関するコンサルティングなので、クライアントの窓口は経理・財務部門であっても、実際にやり取りをするのは経営ボードクラスになるケースが多いです。

業務プロセスへのコンサルティング

企業内の特定の部署やプロジェクトの業務プロセスに対して、財務的な手法を用いるコンサルティングです。具体的な財務目標に対して直接財務計画を作成するケースもあれば、メインとなる社内の推進メンバーに対してアドバイスを行うケースもあります。

具体的なテーマとしては「財務アドバイザー」、「プロジェクト予算実績管理」、「債権者交渉」、「IR活動推進」、「事業計画策定」、「資産価値算定」などとなります。

ある程度予算や目標などのスコープが定まっているケースが多く、コンサルティングする期間も限定的となることが多いです。

規制対応へのコンサルティング

財務会計の分野では、会社間の比較を公正に行うための各種ルールが厳密に決まっています。

たとえば、税務など法規性が変わるたびに企業は内部のPL・BS・キャッシュフローなどの財務諸表の作成ルールを変更する必要が生じるため、そのサポートをコンサルタントが行います。

具体的なテーマとしては「不正調査・国際会計基準(IFRS)導入」、「税制対応」、「リストラクチャリング戦略」、「再生型M&A」、「会社清算」などとなります。

企業内部の財務・経理部門にノウハウがない場合に、外部コンサルタントに委託されるケースが多いです。

中小企業からお抱え的に声がかかるケースも多いですが、昨今はコンプライアンスの徹底などから大手企業も外部の専門家の力を借りるケースも増えています。

財務コンサルティングの仕事内容

財務コンサルタントが担う仕事について、業務プロセスに沿って具体的な内容を紹介します。

ヒアリング・現状把握

クライアントの依頼内容にもとづきヒアリングを行い、現状の組織状況を把握するためのステップです。

戦略策定のコンサルティングの場合は、複数の経営ボードメンバーやキーパーソンへ個別課題のインタビューを実施するケースもあります。

M&Aによっては、売り手側にも財務コンサルタントがついているケースがあります。その場合には、資料のやり取りやQA対応は財務コンサルタントが担うことが多いため、締結前の交渉ミーティングに参加することも求められるでしょう。

また、業務プロセスコンサルティングの場合は、主要な部門に現状の運用をヒアリングし、具体的な会計明細について調査する必要も生じます。

課題分析・提案

ヒアリングの結果や組織データから課題分析、分析結果にもとづく示唆や具体的な施策・立案、クライアントに提案を行うステップです。

とくに財務コンサルタントに期待されるのは、提供されたデータの分析です。

回転期間分析、投資利益率分析、売上利益率分析、現預金水準分析、商品別損益など各種分析を行った上で、課題の特定が求められます。競合他社のデータと比較しながら、清算価値と継続価値を計算して投資の合理性を分析する仕事も業務のひとつです。

分析内容をレポーティングしたあとは、クライアントに向けて報告会の実施を行います。その際、課題解決のためのプランや新しい業務フローを同時に提案することがほとんどです。

評価・モニタリング

コンサルティングによる一連の施策を実行した後、一定期間を経てから課題に対しての改善状況をレビューするステップです。

案件によっては「中間報告会」「最終報告会」など細かくステップを刻んでモニタリングすることが求められます。

規制対応などのコンサルティングの場合は、最新の関連法規制の動向をモニタリングし、内部統制文書や社内規程など、追加で必要となる対応についてもアドバイスを行います。

財務コンサルタントに必要な能力とは

財務コンサルタントに必要な能力は大きく分けて以下の4つです。それぞれ詳しく解説します。

財務・会計に関する専門知識や経験

財務コンサルタントは、専門的な知識をベースに企業の価値を適正に判断する技能が問われるため、財務や会計に関する知識は必須です。

企業内部での財務実務や金融系シンクタンク・コンサルファームでの経験があれば、知識を実践レベルで使いこなしていると認識されます。

実務経験とあわせて「税理士」、「公認会計士」、「中小企業診断士」などの資格保有者であれば、コンサルティング案件の獲得に有利に働く場合もあるため、取得すると良いでしょう。

グローバル対応ができるスキル

事業のグローバル化やそれに伴う海外M&A案件の増加が著しい昨今は、財務コンサルタントにもグローバル対応ができるスキルが求められます。

もちろん、外資系のコンサルファームに所属する場合は、英語を中心とした語学力も必須です。

案件によっては、CPAなど国際的な法規制に精通している資格も必要とされる場合もあります。

とりわけ、会計分野における世界の共通言語としてのグローバル・コンセンサスを獲得するため、国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)の知識は、財務コンサルタントでも必要とされるケースは増えてきています。

論理的思考力

財務コンサルタントは会社の課題について数値をベースに解決をはかるため、論理的思考力が必要です。コンサルティングのプロセス面でも課題抽出や解決策の提案など、各場面で論理的思考力が必要となります。

その他、データ分析やフレームワークを通じての現状分析力や問題解決力、それらをクライアントに伝えるコミュニケーション力や交渉力も求められます。

責任感・倫理観

企業の資金を扱う財務コンサルタントは数値面における緻密さはもちろんのこと、法令を遵守する強い責任感、高い倫理観がある人が適しています。

細かいデータチェックなど成果物への品質にこだわる心構えや、最新の外部事例や法規性を学習する向学心など、プロフェッショナルマインドをもつことが大切です。

財務コンサルタントの年収

専門スキルが要求される財務コンサルタントの年収は、コンサルタントのキャリアや抱える案件によって振れ幅は大きいですが、一般的な会社員の年収よりは高額にある傾向が強いです。

転職サイトによると、以下のような年収であることがわかります。

アソシエイトクラス(20歳代) 500万~800万前後
リーダー以上(30歳代以上~) 800万~1,000万前後

参考:金融・財務コンサルタントの仕事・役割とは

なお、弊社Liberty Nationでは戦略コンサルの一部として財務コンサルティングサービスをご紹介させていただいております。戦略コンサルの単価相場は1,200~4,200万となることが多く、役職が上がるほど報酬のレンジが上がる傾向が強いです。

財務コンサルタントのキャリア

年齢に限らず活躍ができる財務コンサルタントのキャリアは多彩です。

同業他社のコンサルファームや、監査法人に転職するケースが一般的ですが、さまざまな企業の財務会計分析を行っていた実績から、投資銀行やファンドなど金融機関への転職もあり得ます。

その他、事業会社の財務・会計部門、M&A部門において戦略立案や実行支援に参画するケースも多いです。

リーダーポジションの財務コンサルタントの場合は、経営陣へ直接アドバイス業務をおこなっていたという経験から、企業からCFOとしてオファーを受ける場合もあります。

財務コンサルティングの市場動向

経営・財務アドバイザリーの国内市場規模は1兆円程度です。

出典:経営・財務アドバイザリー業界 市場規模・動向や企業情報 | 日経テレコン

主軸サービスである「M&A」は企業が生き残りをかけた統廃合が続く関係で、市況は活発と言えます。事業再生も経営が停滞気味の企業のテコ入れのため、ニーズは継続するでしょう。

昨今のDXブームや、ブロックチェーンや仮想通貨をはじめとするフィンテック分野のイノベーションへの対応・活用に迫られている企業も多いため、財務+αのスキルや実務経験を備えた財務コンサルタントのニーズは絶えない予測です。

また、消費税率アップへの対応などの緊急度が高い案件が増えていることから、財務系コンサルティングファームは全体的にコンサルタントの高い採用意欲を示しています。

財務コンサルタントが抱える課題

企業活動のグローバル化に伴い、日本を取り巻く経営環境はめまぐるしく変化しており、その余波は財務コンサルタントにも及んでいます。

従来型の財務コンサルティングだけではなく、最新の市場動向に応じた案件に対応できるかいなかが、今後の財務コンサルタントの課題と言えるでしょう。

たとえば、国際会計基準の導入にあたっては、ひと昔前の財務コンサルタントには求められなかった知識を習得しなくてはなりません。

さらには金融機関を主体とした株式持合構造の崩壊は、欧米機関投資家を主体とした株主重視の経営指標の導入などの必要性が生じています。

未経験から財務コンサルタントになるためには

最後に未経験から財務コンサルタントになるルートをご紹介します。

財務コンサルティングニーズが活況なため、多くのコンサルファームでは、経験者でなくても未経験からの中途採用に積極的です。

コンサルタントとしての経験がなくても、事業会社の財務部門、戦略企画部門での経験があれば、財務コンサルタントは目指せます。

財務会計システムのプロダクトマネージャーとしての経験があれば、さらに財務コンサルタントになる道は拓けます。

未経験の場合は、財務コンサルタントとしてのポテンシャルを高めるため、英語力や、ロジカルシンキングの強化をあらかじめ行っておくと良いでしょう。

まとめ

財務コンサルタントとは、財務面の業務プロセス改善、資金調達や投資戦略立案、M&Aに関するアドバイスなどを行う仕事です。

最近はフィンテックへの活用や消費税などの税改正への対応などで、企業からの需要は高まっている分野と言えます。

即戦力コンサルタントとしては公認会計士などの資格保有や高い英語力を求められる専門領域ですが、未経験から財務コンサルファームへ転職することは可能です。

弊社Liberty Nation(リバティネイション)では、財務コンサルティングの領域で活躍ができる人材を募集しています。フリーランスとして活躍したい方はバナーよりご登録ください。

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