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データ・AI活用×海外事例
2024.8.9
【データ・AI活用×海外事例】F1レースにおけるデータ活用の重要性
要約
- F1レースにおいて、より速い車体の製作、レース本番中の車体微調整、タイヤ交換タイミング最適化など様々な場面でデータ分析の技術が重要な役割を担っている
- 過去に積み上げたデータから作成される仮想空間での走行のシミュレーションによって、車体製作時の走行テストを効率化し、レース当日の気象条件やドライバーの状態を考慮した車体の微調整を最適化している
- リアルタイムのデータ分析に基づいたタイヤ交換タイミングの最適化によって、メルセデスはレッドブルよりも最大で2秒速くコースを走ることができた
F1レースとデータ分析の関係
F1レースあまり知らない方にとって、レースで重要なるのはドライバー、車、ピットクルーのような、会場で見ることができる要素だけだと思われるかもしれません。しかし、F1レースのファンは、車を制作する工場やエンジニアのようにレースでは目にできない要素も重要であることを知っています。これと同様に、データ分析の技術はF1レースにおいて重要な役割を担っています。
(1)仮想空間でのシミュレーションにより、車体の製作や微調整を最適化
次のレースに向けた車の製作には、過去のレースで収集されたデータの分析結果が活用されます。一昔前までは、実際の車で走行した時に収集されるデータを分析していましたが、得られるデータ量には限りがありました。
現在では、仮想空間に作られたかなり正確な車体や環境のモデルによって、車体の組み立てや走行のシミュレーションを行うことができます。現実では得られないなレース何百万回分のデータを得ることができるので、現実の走行テスト結果と組み合わせることで効率的に車の調整を行うことができます。
また、このシミュレーションはレース本番中の車体調整にも役立ちます。車体のパーツに関する設定値や、レース当日の気象条件、ドライバーの状態などを踏まえたシミュレーションと分析をリアルタイムで行い、エンジニアはその結果を元に現場で適切な車体の微調整を行うことができます。
(2)レース現場でのリアルタイムなデータ分析に基づいてタイヤ交換のタイミングを最適化
バーレーングランプリにおけるメルセデスチームの例では、タイヤ交換のタイミングに関するデータ戦略がチームを勝利に導きました。
メルセデスは強力な競争相手であるレッドブルに追いつくため、レース前に計画していたタイミングではなく、レース中のデータ分析結果に基づいたタイミングでアンダーカット戦略を実行しました。アンダーカット戦略とは、相手より早めにタイヤ交換を行うことで、新しいタイヤの性能を活かしてリードを奪う戦略です。
その結果、メルセデスはレッドブルよりも最大で2秒速くコースを走ることができ、わずか0.5秒の僅差で勝利しました。
この他にも、F1レースに関するあらゆる場面で、ドライバー、チームマネージャー、エンジニアにとってデータ分析は中心的な役割を果たしています。
LibatyDSP
「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。
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参考記事:
https://www.artificialintelligence-news.com/2022/01/11/data-analytics-centrality-to-f1-racing/