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データ・AI活用×海外事例
2024.10.18
【データ・AI活用×海外事例】米国で著名な工学研究機関”HRL Laboratories”_AI予測システムの導入で航空宇宙向けアルミニウム合金の開発期間を短縮
💡要約
- 米国の航空宇宙などに関する研究開発機関のHRL Laboratoriesは、3Dプリントによるアルミニウム合金の開発に取り組んでいるが、要求される性質を満たすナノ粒子を特定するプロセスの時間短縮を課題としていた
- AIを活用してナノ粒子の物理性質を自動で予測する新システムを構築し、有望なナノ粒子の特定を高速化した
- 新システムを利用することで、要求される性質を持つナノ粒子100個以上の特定に成功し、3Dプリントで製造されるアルミニウム合金を実用化しました。その後、それらの材料はアルミニウム協会に登録され、NASAに採用された
課題
HRL Laboratoriesは、米国の研究開発機関であり、航空宇宙、国防、電子工学などの分野で先進的な技術やイノベーションを提供しています。同機関は、材料科学、電子工学、センサーテクノロジーなどの分野で世界中に評価されています。特に、同機関の材料科学と工学の研究成果は、新しい素材や製品の開発に革新をもたらし、産業界の技術革新に貢献しています。
航空宇宙産業では、軽くて極端な温度下で高い強度を持つ合金が必要とされています。同機関は十分な強度を持つアルミニウム合金の、3Dプリントを用いた製造に関する研究を行っています。
金属3Dプリントの凝固プロセスではクラックが発生しやすいため、クラックの発生が少ない微細組織を核として持つナノ粒子を特定する研究は非常に重要です。しかし、1千万以上の候補から有望なナノ粒子を特定するには大きな時間的コストがかかるので、3Dプリントで製造されるアルミニウム合金を実用化できていませんでした。
解決策
同機関は有望なナノ粒子の特定を高速化するため、これまでの実験結果と物理知見をデータベース化し、AIを活用してナノ粒子の物理性質を予測する新しいシステムを構築しました。
具体的な取組:
● 過去の実験データに、材料の熱力学的安定性・密度など、要求されるナノ粒子構造との相関が強い情報を追加
● 実験データが限られているため、古典的核生成理論、格子面間隔値の計算ルールなどの物理理論をAI学習データに加え、物理理論に沿ったAI予測システムを構築
● 1千万を超えるナノ粒子の物理性質を予測
成果
同機関は新しいAIシステムを利用することで、要求される性質を持つナノ粒子100個以上の特定に成功し、アルミニウム合金の3Dプリントによる製造を実用化しました。その後、それらのナノ粒子から得られた材料はアルミニウム協会に登録され、NASAに採用されました。
実際の実現方法
同社が導入したシステムを、「Liberty DSP」で再現することが可能です。
1.過去の実験結果や、要求されるナノ粒子構造との相関が強い情報のDB(熱力学的安定性・密度など)を、社内データベースから自動取得
2.AI予測機能で、ナノ粒子の物理性質を予測
3.結果データを可視化または.CSV形式で出力
LibatyDSP
「Liberty DSP」は、Liberty Dataが提供する、蓄積→分析・可視化→事象予測→事業最適化までを一気通貫で有機的に自動遂行することを志向したデータサイエンスプラットフォームです。
サービスサイト「Liberty DSP」 https://www.liberty-nation.com/product/
サービスサイト「DSP for Chemoinformatics」 https://www.liberty-nation.com/dspchemoinformatics/
資料請求・お問合せ https://www.liberty-nation.com/contents/
参考記事
https://citrine.io/first-to-market-high-strength-3d-printable-aluminum-alloy/