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コンサルキャリア

2021.11.12

戦略コンサルと総合コンサルの違いとは?提供サービスなどの特徴を徹底解説!

コンサル募集

一口に「コンサルティングファーム」と言っても、その種類はいくつかあります。しかし、提供サービスがやや似通っているものもあり、それぞれの違いを正確に把握している人は少ないでしょう。

そこで本稿では、コンサルティングファームの種類を紹介するとともに、中でもとくに人気の高い「戦略コンサルティングファーム」と「総合系コンサルティングファーム」の違いを徹底的に解説します。

これからコンサルタントを目指す人にとっては、それぞれの業務理解を深めておくことは具体的なキャリア設計や選考対策の助けになります。ぜひ参考にしてください。

コンサルティングファームでの仕事内容

コンサルティングファームでは、企業課題の発見や解決策の立案、解決策の実行支援を行っています。

解決する課題の種類はコンサルティングファームによって異なり、戦略コンサルティングファームなら経営戦略や新規事業戦略の立案、IT系コンサルティングファームならITを活用した業務改革やコスト削減などが該当します。

コンサルティングファームに属するコンサルタントは、基本的にプロジェクト単位で仕事を行います。プロジェクトの期間はプロジェクトごとに大きく異なり、短いもので1週間〜1ヶ月、長いと数年単位のものまであります。

コンサルティングファームの種類・提供サービスの違い

コンサルティングファームの種類別に提供サービスの違いについて解説します。

コンサルティングファームの種類 提供サービス
戦略コンサルティングファーム 経営戦略やM&A、新規事業戦略など企業経営の上流部分の課題解決を支援。
総合系コンサルティングファーム 経営戦略からIT戦略、業務改革など企業経営を総合的にサポート。
IT系コンサルティングファーム ITを活用して企業の経営課題を解決。システム設計や開発業務なども行う。
シンクタンク系コンサルティングファーム 元々は政策の提言や官公庁向けのリサーチのみ。近年は民間企業の経営戦略やIT戦略の立案支援、SI業務の支援も行う。
監査法人系コンサルティングファーム 事業運営やIT活用におけるリスクマネジメントを支援。

戦略系コンサルティングファーム

戦略系コンサルティングファームでは、企業の経営戦略や新規事業計画、事業統合の支援など企業経営の根幹部分に関わる問題についてサポートしています。

代表的な戦略系コンサルティングファームは以下の通りです。

  • マッキンゼー・アンド・カンパニー
  • ボストン コンサルティング グループ
  • ローランド・ベルガー
  • ベイン・アンド・カンパニー
  • KARNEY(旧:A.T. カーニー)
  • アーサー・D・リトル(ADL)

総合系コンサルティングファーム

総合系コンサルティングファームでは、業務改革に伴う新システムの導入支援や人事戦略の立案など幅広い問題についてサポートしています。

代表的な総合系コンサルティングファームは以下の通りです。

  • デロイトトーマツコンサルティング
  • アクセンチュア
  • PwCコンサルティング
  • アビームコンサルティング
  • KPMGコンサルティング
  • ベイカレントコンサルティング

IT系コンサルティングファーム

IT系コンサルティングファームでは、IT戦略の立案やERP導入支援など、経営課題の解決にITの活用がベストな事案についてサポートしています。

代表的なIT系コンサルティングファームは以下の通りです。

  • ガートナージャパン
  • フューチャーアーキテクト
  • ウルシステムズ
  • CDIソリューションズ
  • キャップジェミニ
  • タタ コンサルタンシー サービシズ ジャパン

シンクタンク系コンサルティングファーム

シンクタンク系コンサルティングファームは、もともと政策に関する提言を行うためのリサーチ(経済調査など)を行う研究機関でした。しかし、近年ではITコンサルやマネジメントコンサルなどを民間企業に対して提供するようになってきています。

代表的なシンクタンク系コンサルティングファームは以下の通りです。

  • NTTデータ経営研究所
  • 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング
  • 野村総合研究所
  • 日本総合研究所
  • 三菱総合研究所
  • みずほ情報総研

監査法人系コンサルティングファーム

監査法人系コンサルティングファームでは、内部監査やリスクコンサルティングなど企業経営を万全に整えるためのサポートを行っています。

代表的な監査法人系コンサルティングファームは以下の通りです。

  • 監査法人トーマツ
  • PwCあらた監査法人
  • 新日本監査法人
  • あずさ監査法人

戦略コンサルタントと総合コンサルタントの定義

そもそも「戦略コンサルタント」や「総合コンサルタント」とは、どういった人のことを指すのでしょうか。その定義をご紹介します。

戦略コンサルタント

戦略コンサルタントとは、企業課題を解決するために経営戦略や事業戦略など企業活動の根幹部分について包括的に支援するコンサルタントのことを指します。

一般的には、戦略コンサルティングファームに勤務する人のことです。

総合コンサルタント

総合コンサルタントとは、総合系コンサルティングファームに勤務する人のことを指します。

なお、総合系コンサルティングファームとは、戦略、IT、人事、ファインナンスの各分野にコンサルタントを擁しているファームのことです。

戦略コンサルと総合コンサルの違い

戦略コンサルと総合コンサルではどのような違いがあるのでしょうか。それぞれ項目ごとに解説します。

案件比率

戦略コンサルと総合コンサルの最も大きな違いは、「戦略」「業務」「IT」の3つで案件を区分した時の比率です。

戦略系コンサルティングファームでは「戦略」がほぼ100%、総合系コンサルティングファームでは戦略:業務:IT=1:2:7程度となっています。

総合系コンサルティングファームにおいて戦略案件は非常に少ないですが、参画できれば社内評価が高くなりやすい上に難しい業務を任されるため、多くのコンサルタントから人気を集めています。

しかし、その分だけ競争率が非常に激しく、参画するためには運と実力の両方が必要です。

案件単価

戦略コンサルの案件単価は、総合コンサルと比較して非常に高い傾向にあります。それに伴い給与・年収にも大きな差が生じます。

給与・年収

戦略コンサルは総合コンサルよりも年収が高い傾向です。

【外資系戦略コンサルティングファームの役職と年収水準】

役職名 年齢(歳) 実務経験(年数) 固定給与(万円) 業績賞与
アナリスト 22〜28 0〜3 500〜800 固定給の20%
コンサルタント 25〜35 0〜6 900〜1,300 固定給の20%
マネージャー 28〜40 2〜10 1,400〜2,000 固定給の20%
プリンシパル 32〜45 5〜15 1,700〜2,500 固定給の20%
パートナー 35〜 7〜 2,500〜 業績次第

出典:コンサルタントの年収・給与を大公開!【転職したらどれくらい?】|転職サービスのムービン

【総合系コンサルティングファームの役職と年収水準】

役職名 年齢(歳) 実務経験(年数) 固定給与(万円) 業績賞与
コンサルタント 22〜30 0〜3 500〜700 固定給の10〜20%
シニアコンサルタント 25〜35 0〜6 700〜900 固定給の10〜20%
マネージャー 28〜40 2〜10 900〜1,400 固定給の10〜20%
シニアマネージャー 32〜45 5〜15 1,300〜1,800 固定給の10〜20%
パートナー 35〜 7〜 2,000〜 業績次第

出典:コンサルタントの年収・給与を大公開!【転職したらどれくらい?】|転職サービスのムービン

戦略コンサルタントの収入事情をより詳しく知りたい方は、以下もあわせてご覧ください。

戦略コンサルタントの平均年収は?役職・企業別の水準と他業界の年収を比較!

常駐・非常駐

戦略コンサルのプロジェクトはクライアント先に常駐するものが少なく、総合コンサルとは対照的です。

総合コンサルの場合、IT案件や業務改革案件の比率が多く、それらはクライアント先に常駐することで円滑にプロジェクトを進められるケースが多いため、大半のプロジェクトではクライアント先に常駐します。

クライアントの役職

戦略コンサルのクライアントは主にCXOです。一方総合コンサルは、部長〜CXOがクライアントとなります。

採用人数

BIG4をはじめとする社員数が数千名規模の総合コンサルでは、毎年100名以上の新卒を採用しています。

【例1】EYストラテジー・アンド・コンサルティング:101~200名※1

【例2】アクセンチュア:301名~(コンサル職以外も含む)※2

※1.出典:EYストラテジー・アンド・コンサルティング(株)の採用データ

※2.出典:アクセンチュア(株)の採用データ

一方で、戦略コンサルでは10〜30名程度です。

【例1】ローランド・ベルガー:10〜15人※3

【例2】アーサー・D・リトル:10人程度※3

※3出典:MBBだけ受けたら後悔する「有名戦略ファーム9社」の特徴

求められる能力

求められる能力は、それぞれ共通しているものが多いです。

  • 論理的思考能力
  • コミュニケーション能力
  • GRID(やりきり力)

上記3点については、戦略コンサル・総合コンサルともに高いレベルで要求されます。

戦略コンサルと総合コンサルで求められる能力に大きな違いはありませんが、戦略コンサルはプロジェクト期間が短い傾向にあるため、総合コンサルよりも学習効率の高さが重要と言えます。

なお、グローバル案件に携わりたい方や外資系ファームに入社したい方は英語力が必要です。

将来的に独立を目指す人におすすめのコンサルティングファームは?

将来どのような事業や形態で独立を目指すかによって、おすすめするコンサルティングファームは異なります。

フリーランスコンサルタントになる場合

フリーランスとしてコンサルティング業を営む場合、総合系コンサルティングファームやIT系コンサルティングファームがおすすめです。

なぜなら、昨今のコンサルティング市場においてはITの活用案件が多く、実行支援まで依頼されるケースが多いからです。総合系コンサルティングファームやIT系コンサルティングファームで実務経験を積めば、そういった案件に対応できるスキルが身につきます。

なお、所得・年収の向上を期待して独立しても、労働時間単価はいずれ頭打ちになります。たしかに会社員時代よりは増えやすいですが、個人の可処分時間(労働時間)に限りがあるため避けられない事実です。

労働から得られる満足感や、自由な時間(非労働時間)を増やすためには、個人事業から仲介業へのステップアップが必要です。

このフェーズでITだけでなく事業戦略や経営スキルが必要になるため、そこまで見越している方には戦略コンサルティングファームか総合系コンサルティングファームの戦略部門がおすすめです。

起業する場合

起業家として組織を作り大きな事業を手掛けたいなら、戦略系コンサルティングファームがおすすめです。なぜなら企業経営に関するノウハウが身に付きやすいからです。

コンサルタントとしての独立を成功させるコツ

コンサルタントとしての独立を成功させるコツは、以下の3つです。

  1. 自分が興味や強みのある分野に特化する
  2. 英語でのビジネススキルを磨く
  3. 「IT」と「戦略」の両方のスキルを磨く

1はマーケティング観点とモチベーションやキャリア設計の観点、2と3は案件獲得力や報酬単価の観点で重要です。

中でも3はとくに重要と言えます。「IT」または「戦略」のどちらかに偏っている人材は会社員コンサルタントでも多いのですが、どちらも自立自走してデリバリできる人材は非常に少なく、クライアントから重宝されるからです。

両方のスキルが高ければ他のコンサルタントと差別化しやすく高単価が狙える上、グローバルに戦う有名企業やDXを目指す大企業、中堅企業からのニーズが高いため、独立後も安定的に高待遇の案件を獲得しやすくなるでしょう。

まとめ

戦略コンサルと総合コンサルの仕事内容の違いは、課題解決の対象が「経営戦略に特化している」か「企業活動の全般」かです。

本稿の読者さまが将来的にフリーランスコンサルタントを目指すなら、ITと事業戦略の両方に関するノウハウが身に付くコンサルティングファームで実務経験を積むことをおすすめします。

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