コンサルキャリア
2021.11.22
業務コンサルタント案件の獲得方法を解説!必要なスキルや単価も紹介
業務コンサル案件の獲得方法を知りたいなら、まずは業務コンサル案件の仕事内容を理解することが重要です。
業務コンサル案件に求められるスキルについても理解しておかなければ、受注できたとしてもスキルが足らずクライアント企業の抱える課題を解決まで導くことができません。
本稿では、業務コンサルの仕事内容から求められるスキル、業務コンサル案件の獲得方法をご紹介します。これから業務コンサルとしてフリーランスへ転身する方必見です。
業務コンサルとは
業務コンサルは、業務上の問題点と改善案を提案し、クライアントを問題解決に導く支援を行います。
また、戦略コンサルや人事コンサル、ITコンサルとは異なり、業務コンサルの場合は業務手順の改善や組織体制への提案など、他のコンサルよりも業務範囲が広いという特徴があります。
業務コンサルの主な業務範囲は、以下の4分野とされています。
- プロキュアメント(調達)コンサル
- サプライチェーン(SCM)コンサル
- 顧客体験(CX)コンサル
- オペレーションコンサル
それぞれの業務内容に関して、詳しく説明します。
プロキュアメント(調達)コンサル
プロキュアメント(調達)コンサルは、顧客の経営課題を解決するために、分析・戦略立案・実行・導入まで、End to Endで調達業務の改革・改善の支援を行います。
さらに、調達プロジェクトのマネジメントまたはその支援、支出分析、調達計画の策定、納入業者の選定、契約管理などの業務を行うことにより、顧客に運用コストや支出の削減というメリットを提供します。
サプライチェーン(SCM)コンサル
サプライチェーン(SCM)コンサルは、購買・物流に関する戦略立案・プランニング・プロセス改革・システム導入・調達コストの削減などを通じ、企業の経営課題・収益の改善を支援します。
サプライチェーン(SCM)コンサルの特徴として、M&Aやグローバル化などの経営課題に直結するプロジェクトが多いという点が挙げられます。
そのため、購買・物流だけでなく幅広い業務知識や知見、経営者視点を身につけられるというメリットがあります。
また、サプライチェーン(SCM)コンサルは企業の根幹となる業務であり、会計やCRMとの連携業務が多いという特徴もあります。
顧客体験(CX)コンサル
顧客体験(CX)コンサルは、クライアント企業の顧客行動データを分析し、戦略からUX/UI・デザインまでの顧客体験の戦略策定を行います。
近年、モノのコモディティ化を背景に、顧客にとって価値のある体験を描き、それに伴い組織構造、文化、仕組みも改善していく必要性が高まっています。
そのため現状の顧客体験を再構築し、総合的な顧客体験の変革を行うことが求められます。
オペレーションコンサル
オペレーションコンサルは、最新のテクノロジーを活用し、企業のオペレーションの改善・変革を支援します。
オペレーションとは、機能や部門を超えた業務のつながりのことを指します。
企業全体のオペレーションを改善するためには、業務マニュアル・ルールの整備、顧客本位と効率性の充実、業務の自動化・効率化、経営トップから末端社員までの意識改善が必要です。
オペレーションコンサルには、企業のトップと同じ視座で思考し、周囲を巻き込む能力が求められます。
業務コンサル案件で導入される主なパッケージ
先述の業務コンサルの案件において導入される事が多いパッケージは、以下の4点です。
- ERP
- SCM
- CRM
- RPA・AI
これらのパッケージに関して解説します。
ERP
EPRとは、業務システムを統合して、データを一括管理することにより効率化を図る基幹システムです。プロキュアメント(調達)コンサルの業務におけるソリューションとして、ERPを提案します。
代表的な製品 |
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・Salesforce ・NetSuite ・Oracle Fusion Cloud ERP ・SAP S/4 HANA Cloud |
会計や人事、物流など企業内のあらゆる情報を瞬時に確認できる点が、ERPのメリットとして挙げられます。
SCM
SCMとは、原料の調達からエンドユーザーに製品が届くまでの購買・物流プロセスを可視化して、業務上の無駄をなくすための基幹システムです。
サプライチェーン(SCM)コンサルの業務におけるソリューションとして、SCMを提案します。
代表的な製品 |
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・SAP SCMソリューション ・RapidResponse ・CargoWise One |
SCMを導入することにより市場分析と市場予測を正確に行い、需要の増加と減少に柔軟に対応することが可能となります。
CRM
CRMは、顧客データを統合して良好な関係を長期的に築くための基幹システムです。
顧客のデータを活用する顧客体験(UX)コンサルの業務におけるソリューションとして、提案されます。
代表的な製品 |
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・Sales Force Assistant ・Salesforce Sales Cloud ・Knowledge Suite |
CRMを導入することにより、企業内で顧客データを共有して顧客のニーズを把握し顧客満足度を向上させることが可能となります。
RPA・AI
RPAは、ソフトウェアロボットが、データ入力やファイルの複製などの単純業務を自動化してくれるシステムです。
AIもRPAと同様に単純作業を自動化してくれるシステムですが、RPAとAIでは判断の基準が異なります。RPAは決められたルールに基づいて判断し、AIはビッグデータに基づいて判断するという特徴があります。
オペレーションコンサルの業務の自動化・効率化のにおけるソリューションとして、RPA・AIの提案を行います。
代表的な製品 |
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・UiPath ・BizRobo! ・AI Minutes for Enterprise |
業務コンサル案件の仕事の流れ
業務コンサル案件で仕事を行う際は、業務範囲の設定、現状把握と課題設定を行うだけでなく、実行プランを設定し、その後の運用状況の評価まで行います。
それぞれの仕事内容に関して、詳しく説明します。
業務範囲の設定
現状の業務状態を確認して、プロジェクトの方向性を決めます。
業務範囲の設定は、すべての作業の下準備になるため慎重に行う必要があります。そのためには、プロジェクトの背景を理解して、実行手順や効果を検討しなければなりません。
過去の経験や実務経験を活かし、短期間に正確なアウトプットが期待される業務です。
現状把握・課題の確認
クライアント企業の経営層や各業務の責任者へヒアリングを行い、現状把握と課題の確認を行います。
これまでのキャリアの中で同業種、類似業務の経験があるとよりスムーズに現状把握と課題の確認を行うことが可能です。なお、専門性が高い業務ほど、過去のキャリアが重視される傾向にあります。
課題の把握では、数多くある課題の中から、本当に解決すべき課題を見つける点が重要となります。チーム間の連携や業務の効率化など、全体の流れを考慮して判断していくことが求められます。
実行プランの設定
業務コンサルのメインとなる仕事であり、ITサービス、SaaS、パッケージシステムを活用した改善提案となる場合がほとんどです。
必要となるシステムや設備も含めて設計するだけでなく、クライアントに具体的な業務フローやタスクを伝えることも求められます。そのため、業務知識以外に、関連するIT製品の知識も必要となります。
実行
提案したプランが本格運用されるまで見届けるフェーズです。
ただし、案件によってさまざまな業務内容があるため、課題を解決するために積極的な支援が求められます。
運用状況の確認・評価
最後に、実際に課題が解決したかどうかを確認します。
実行して初めてわかるような、事実上、解決不可能な問題が見つかるケースもあります。また、予測していなかったトラブルが発生した場合は、その都度対応することが求められます。
業務コンサルタントの仕事内容や年収事情についてより詳細に知りたい方は、以下の記事もぜひ読んでみてください。
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業務コンサルタントとは?仕事内容・必要スキル・年収・ITコンサルとの違いを徹底解説!
業務コンサル案件に必要なスキル
業務コンサルは、顧客の業務プロセス全般に関わりながら業務改善を行うため、コミュニケーション能力、業務・IT関連の知識、ロジカルシンキングといったスキルが求められます。
これらの求められる業務コンサルになるためのスキルについて、解説します。
コミュニケーション能力
高いコミュニケーション能力を備えたコンサルタントほど、顧客自身が気づいていない課題を洗い出すことを得意としています。
クライアントの抱えている問題を発見し、解決するのが業務コンサルの仕事です。クライアントに善案を提示して納得してもらうためには、クライアントからの信頼獲得が重要となります。
クライアントの信頼を獲得するためには、容姿や身なりだけでなく、言葉遣い、文章で伝える力、レスポンスの速さ、傾聴の姿勢、深堀りできる質問力など、総合的なコミュニケーション能力の高さが求められます。
業務・IT関連の知識
業務コンサルはIT関連の案件も多く、ERPやSCMなど、IT関連の知識も必要です。
ソフトウェアを使った業務の効率化が当たり前になったため、IT関連の知識や実務経験も求められるようになりました。
そのため、IT関連の知識があると、顧客とのコミュニケーションがスムーズになるというメリットがあります。
また、業務やIT関連の知識だけでなく、公認会計士・簿記・中小企業診断士・税理士など、専門性の高い資格を持っていると、第一印象が良くなるだけでなく、他の業務コンサルタントと差別化が可能です。
ロジカルシンキング
業務コンサルは、複数のステップを踏んで課題を解決するため、ロジカルシンキングが必要とされます。
課題解決の難易度が高いほど、柔軟な発想力が求められます。難易度の高い課題を解決するためには、正確に課題を分析して、構造的に把握できるロジカルシンキングのスキルが求められます。
業務コンサル案件の相場単価
業務コンサル案件の相場単価は150万円です。人材育成や獲得にコストがかかるため料金が高くなる傾向にあります。
出典:フリーランスITコンサルタントの案件や単価相場について
また、一例として、総合系・IT系コンサルティングファームの役職と年収水準についてもご紹介します。
役職 | 年齢 | 経験年数 | 固定給与 | 業績賞与 |
---|---|---|---|---|
アナリスト | 22~28歳 | 0~3年 | 500~800万円 | 固定給の20% |
コンサルタント | 25~35歳 | 0~6年 | 900~1,300万円 | 固定給の20% |
マネージャー | 28~40歳 | 2~10年 | 1,400~2,000万円 | 固定給の30% |
プリンシパル | 32~45歳 | 5~15年 | 1,700~2,500万円 | 固定給の30% |
パートナー | 35歳以上 | 7年以上 | 2,500万円以上 | 業績次第 |
出典:コンサルタントの年収・給与を大公開!【転職したらどれくらい?】|転職サービスのムービン
なお、業務コンサル案件の相場単価は150万円ですが、案件の規模によって大きく異なる場合があります。弊社Liberty Nationに所属のフリーランス業務コンサルタントの年収・単価は以下の通りです。
年収 | 1,440〜2,400万円/年 |
---|---|
単価 | 120〜200万円/月 |
平均単価 | 150万円/月 |
業務コンサル案件の獲得方法
フリーランスとして活動する上で、業務コンサル案件の獲得方法を知っておくことは必要不可欠です。
業務コンサル案件を獲得するために役立つ方法について、説明します。
知人に紹介してもらう
元クライアントや元ファームの業界関係者といった、知人から案件を紹介してもらうためには、独立前に人脈を形成しておくことが重要です。
業務コンサル案件の新規案件の獲得は難しく、「継続して紹介してもらう」ことがフリーランスとして活躍するための重要なポイントとなります。
なお、知人に案件を紹介してもらう場合は、過去に所属していたファームとの契約違反や関係悪化につながらないよう、配慮が必要です。
ブログ・オウンドメディア・SNSを活用する
ブログ・オウンドメディア・SNSを活用し自身の情報を発信することにより、案件の獲得につなげることができます。
高い情報発信スキルがあれば、集客しなくても案件が舞い込んでくるというメリットがあります。ただし、短期間での案件獲得には向かない手法である点に注意が必要です。
ブログ・オウンドメディアでは、問い合わせフォームを作成しておきましょう。そうすることにより、クライアントがコンタクトを取りやすい環境を整えられ、案件獲得につながりやすくなります。
なお、ブログやオウンドメディアは見つけてもらわなければ意味がありません。そのため、新たな記事や情報発信で更新回数をキープすることを心がけましょう。
そして、メディアの存在が周知されるように、検索上位に表示されるためのSEO対策やSNSで拡散することも必要です。
マッチングサービス
業務コンサルを求めている人と、案件を求めている人が出会えるWeb上のマッチングサービスを利用することにより、案件を獲得することができます。
マッチングサービスは手軽に使えるというメリットがありますが、短期間の案件が多い点には注意が必要です。
また、マッチングサービスの料金形態は成功報酬型が一般的であり、サービスによっては仲介手数料が発生してしまう場合があります。
ただし、マッチングサービスをうまく活用すれば、空き時間などを有効活用しながら収入を上げることが可能です。実績や経験をアピールし、ポートフォリオも用意しておくと受注につながりやすくなります。
セミナーを開催する
セミナーを開催して「先生」と「生徒」の関係性を築くことにより、問題を抱えている人を集客するだけでなく受注につながりやすくなります。
さらに、企業や行政機関から講師依頼がもらえ、受注につながるという良いサイクルが生まれる可能性もあります。
また、自身がセミナーへ参加して講演を聞いたり、座談会等で情報交換をしたりすることで自身のスキルアップにつながるだけでなく、そこで形成した人脈から案件を獲得できることもあります。
エージェントサービス
弊社Liberty Nationのように、業務コンサルを探しているクライアントを紹介するサービスを利用することで、業務コンサル案件を獲得することができます。
先述のマッチングサービスとは異なり、まずはエージェントが面談を行い、希望条件に合ったクライアントを探してくれる点がメリットとして挙げられます。
また、エージェントが稼働率・報酬・期間の交渉も行ってくれ、中長期的な案件が多いこともエージェントサービスを利用するメリットです。
フリーランスは弱い立場に立たされやすいため、エージェントが間に入ってくれることでグレーな案件が排除された状態で案件獲得に集中することができます。
なお、確定申告に関わる事務作業などを代行してくれたり、税理士を紹介してくれるエージェントサービスも存在します。
まとめ
業務コンサルは、業務上の問題点と改善案を提案、解決までへ導く仕事です。クライアントが満足する結果へ導くためには、コミュニケーション能力や業務・IT関連の知識、ロジカルシンキングのスキルが必要となります。
そして、業務コンサルの案件を獲得する方法は、知人からの紹介、ブログ・オウンドメディア・SNSの活用、エージェントサービスの利用などさまざまあります。
業務コンサルの案件をお探しなら、弊社Liberty Nation(リバティネイション)のようなコンサルティング案件とコンサルタントのマッチング支援サービスを利用し、案件を獲得するのがおすすめです。
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