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2021.12.6
ITコンサルタント案件の単価相場は?ITコンサルタントの種類や市場動向を徹底解説!
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フリーランスのITコンサルタントをこれから目指す人にとって、ITコンサルタントの単価相場や市場動向・需要の有無などは非常に気になるポイントでしょう。
そこで本稿では、ITコンサルタント案件の単価相場をご紹介するとともに、ITコンサルタントになるメリットや案件獲得の方法、直近の国内コンサルティング市場規模をわかりやすく解説します。
フリーランスITコンサルタント案件の単価相場
ITコンサルタントの平均単価は150〜200万円です。ただし、参画する案件によって単価は大きく変動します。
出典:ITコンサルタント案件の単価は?フリーランスで独立する前に | AIdrops
たとえば、IT戦略コンサルティングやデジタルコサルティング案件の単価は150〜200万円で推移しますが、ITインフラ整備やシステムの保守・管理に関するコンサルティング案件の単価は100万円程度です。
出典:フリーランスITコンサルタントの案件や単価相場について
また、案件の獲得方法によっても単価が左右します。ご参考までに弊社Liberty Nationに登録して案件を獲得しているITコンサルタントの平均年収は、おおよそ2,000万円です。月単価ベースでは100〜350万円となっています。
会社員ITコンサルタントの平均年収
役職や経験年数によって大きな幅がありますが、会社に勤めるITコンサルタントの平均年収は600万円程度です。
また、経済産業省の「我が国におけるIT人材の動向」によると、30歳前後のITコンサルタントで年収800~1,500万円となっており、年収1000万円を超えるコンサルタントも少なくありません。
ITコンサルタントの年収事情については、以下でも詳しく解説しています。ぜひこちらも読んでみてください。
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ITコンサルタントの種類
一口にITコンサルタントと言っても、その種類はさまざまです。そこで代表的なITコンサルタントの種類についてご紹介します。
IT戦略コンサルタント
IT戦略コンサルタントは、IT戦略の立案からその実行支援まで行うコンサルタントです。
企業の経営課題をITシステムを活用して解決するための戦略を立案します。中長期経営戦略を実行するために最適な技術選定が重要です。
CRMコンサルタント
CRMコンサルタントは、顧客と企業の関係性を最適化するコンサルタントです。
CRMとは「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略です。顧客をセグメント化し、それぞれに対して最適なアプローチ手法を検討することをCRMと言います。
中長期経営戦略に基づき、どのセグメントの顧客をどの程度増やさなければいけないか、どのアクションで顧客の態度変容を起こせるかなどのデータ分析・収集も行います。
CRMコンサルタントの仕事内容や年収事情については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひこちらも読んでみてください。
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CRMコンサルタントの仕事内容とは?必要なスキルや資格についても解説!
SCMコンサルタント
SCMコンサルタントは、企業の物流システムを最適化するコンサルタントです。
SCMとは「サプライ・チェーン・マネジメント」の略です。物流システムを最適化することでコスト削減やユーザー便益の向上を図ります。
ERP/SAPコンサルタント
ERP/SAPコンサルタントは、企業の全部門共通システムを最適化するコンサルタントです。
ERPとは「エンタープライズ・リソーシーズ・プランニング」の略で、企業が保有するリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し活用するためのシステムのことを指します。なお、SAPはERPの一種です。
ERPの導入形態はさまざまで、「完全統合型」「コンポーネント型」「業務ソフト型」などがあります。
PMOコンサルタント
PMOコンサルタントは、システム開発プロジェクトのマネジメントを行うコンサルタントです。
PMOとは「プロジェクト・マネジメント・オフィス」の略です。プロジェクトの要件定義、計画設計、実行、テスト、運用保守までの全フェーズを適切に管理し、プロジェクト推進や品質担保の役割を担います。
クラウドコンサルタント
クラウドコンサルタントは、三大クラウド(AWS、Azure、GCP)をはじめとするパブリッククラウドに精通したコンサルタントです。
顧客にとって最適なクラウドサービスの選定、導入計画の立案、導入後のリスクマネジメントなどを支援します。
たとえば、オンプレミスからクラウドへの環境移行や、クラウド×SaaSでの業務改革などのサポートを行います。
ITコンサルティング業界の市場動向
ITコンサルティング業界は今後も伸び続けると想定されています。
IT専門調査会社IDC Japan 株式会社が2021年7月1日に発表した「国内コンサルティングサービス市場予測」によると、2020年の同市場規模は8,623億円(前年比1.1%増)と想定され、2025年に1兆2,551億円に達すると見込まれています。
2020年から2025年までの間でとくに需要が伸びると予測されているのは「デジタル関連ビジネスコンサルティング*1」領域です。2020年に1,337億円(前年比29.3%増)を記録した同市場は、2025年に4,986億円まで伸びるとIDCでは予測しています。
*1デジタル関連ビジネスコンサルティング:ビジネスコンサルティング市場の内、クラウド、ビジネスアナリティクス、モビリティ、ソーシャルといった第3のプラットフォームの導入/活用、あるいは、同プラットフォームを通じて提供されるIoTやコグニティブ/AIシステム、サイバーセキュリティなどの導入/活用に関わる支援サービス。 |
ITコンサルティングの需要が高まった原因の一つには企業のDXブームもありますが、既存顧客層のプロジェクトスコープの拡大や新規顧客の増加が中長期的に市場規模を拡大させるでしょう。
なお、市場規模の拡大に伴いIT人材の需要も高まっています。経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」よると、2030年までにIT人材の需給ギャップは最大で約79万人に達すると予測されているため、必要十分なITコンサルティングスキルを身につければ安定して案件を獲得できるようになるでしょう。
フリーランスのITコンサルタントになるメリット
ITコンサルタントになるとさまざまなメリットを享受できます。それぞれ詳しく解説します。
給与・年収を増やしやすい
会社員コンサルタントに比べ、フリーランスのコンサルタントは年収を増やしやすいです。主な理由は以下の2点です。
- 勤務先の中抜きがなくなるから
- 節税しやすいから
会社員コンサルタントの場合、営業や内勤の方々への販管費などがコンサルティング報酬から充てられるため、いわゆる「中抜き」が存在します。
一方でフリーランスコンサルタントは営業や経費精算などもすべて自分で行うため、「中抜き」がありません。そのため、後者の方が年収を増やしやすい環境と言えます。
また、フリーランスになれば節税がしやすいというメリットがあります。個人事業主としてフリーランスとなれば、必要経費が認められるからです。
たとえば、業務で使用するPCや書籍の購入は経費精算が可能なため、課税対象金額を大幅に引き下げられます。
興味関心のある仕事を選べる
会社員コンサルタントの場合、原則的に会社(人事部やプロジェクト)の都合によって指定されたプロジェクトに参画するほか選択肢がありません。
しかし、フリーランスコンサルタントになれば比較的自由に参画するプロジェクトを選べるため、キャリア設計やワークライフバランスの担保がしやすいメリットがあります。
成長性が見込まれる分野にチャレンジしたり、ジョブチェンジを目指したり、多様な働き方が実現可能です。
加えて、昇進に関わる社内政治や資格取得、部下の育成といった仕事がなくなるため、自分自身のキャリアに集中できます。
働き方を選べる
フリーランスのITコンサルタントになるとフレキシブルに休暇を取得しやすいです。
会社員コンサルタントも他の会社員と比較すると休暇取得しやすい方ですが、フリーランスコンサルタントになるともっと自由度が高くなります。
会社員コンサルタントの場合、細切れの休暇のたびにチーム内での引き継ぎやスケジュール確認といった煩雑な調整が発生します。そのため、案件終了時にまとまった休みは取得しにくいです。
一方でフリーランスの場合は、チームへの引継ぎなど調整作業が一切なく、案件は高単価で3〜6ヶ月の契約が多いため「まとめて働き、まとめて休む」という働き方ができます。
加えて、労働場所も選べるチャンスがあります。常駐勤務かリモート勤務か、フルタイムか半稼働かなど、希望の働き方を実現できるプロジェクトを選択可能です。
案件を獲得しやすい
ITコンサルティング案件はコンサルティング案件の中でも数が多く、フリーランスでも受注しやすいです。
ビジネスの上流である戦略立案より、下流の戦略実行部分の方が必要となる人月工数が多いため、自然とITコンサルティング案件は戦略案件より募集が多くなります。
資格が必須ではない
ITコンサルタントとして活躍するためには専門知識が必要ですが、弁護士や医師などと違ってITコンサルタントと名乗るために必要な資格はありません。
その他の職業と比較すると収入や働き方は優遇されているにもかかわらず参入ハードルが低いため、努力次第では短期間で高収入と理想的なワークライフバランスを手に入れられます。
フリーランスITコンサルタントになる方法
フリーランスITコンサルタントの単価相場は会社員のそれと比べて非常に高く、働き方も融通が効くため、フリーランスITコンサルタントを目指したいと考える人もいるでしょう。
そこでここからは、フリーランスITコンサルタントになるための具体的な方法をご紹介します。
コンサルティングファーム・SIerに就職する
フリーランスコンサルタントとして独立する前に、まずはコンサルティングファームやSIer企業などで実績を積むことをおすすめします。
なぜなら、スキルと実績の両方がなければ、独立しても案件を獲得しにくいからです。
目安となる独立前の実務経験期間は3年以上で、その期間内に十分な実績とスキルを身につけておく必要があります。
特定の実績を身につける
以下領域の実績を身につけておくことで、独立後の案件獲得がスムーズになります。
独立前におすすめの実績 |
---|
・ビジネスアナリシスの経験
・ITソリューションの導入支援経験 ・プロジェクトマネジメント経験 |
上記のいずれかにおいて最低2〜3年以上の経験があることが望ましく、理想はこの期間にできるだけ複数のプロジェクトに関わることです。そのほうが独立後に案件とマッチングする可能性が高まります。
大手企業の場合、長期的な育成計画で短期間に複数プロジェクトを経験することが難しい場合がありますが、その場合は複数のロールを経験することをおすすめします(例:プログラマ→SE→PL→PMなど)。
複数ロールの経験があると、ベンダー管理や現場を理解したPMが可能であるアピールができます。
案件を獲得する
独立することを決めたら、案件を獲得する必要があります。独立直後からスムーズに仕事ができるよう、独立直前から案件または見込み顧客を獲得しておくことをおすすめします。
ITコンサルティングの案件種別は大きく以下の4つです。
案件種別 | 概要 |
---|---|
IT戦略コンサルティング案件 | ・IT戦略の立案からその実行支援 |
パッケージ導入コンサルティング案件 | ・業務改革のためのパッケージ導入支援 |
デジタルコンサルティング案件 | ・クラウド、モビリティ、ソーシャルなどの第3のプラットフォームの導入・活用支援 |
その他、ITコンサルティング案件 | ・ITインフラ整備
・システムの保守、管理 など |
上記の中から、ご自身のスキルにマッチしたものを選びましょう。
具体的な案件獲得方法は以下の4つです。
DMを活用する
見込み顧客にDM(ダイレクト・メール)を送って営業する方法です。
ブログ・SNSを活用する
ブログやSNSで情報を発信し、プル型の営業をする方法です。問い合わせホームなどを設置し、顧客側からコンタクトが来るのを待ちます。
SNSの場合はさまざまな企業やコンサルタントをフォローし、情報収集や人脈形成のツールとしても活用しましょう。
セミナー・交流会を活用する
自身でセミナーや交流会を開いて、見込み顧客を獲得する方法です。
自身のノウハウやスキル、人間性をアピールできるため場であるため、ブログやDMでの営業よりも案件獲得率が上がります。
知人・友人に紹介してもらう
コンサルティングファーム時代の同僚や上司から、見込み顧客を紹介してもらう方法です。
信頼関係が形成されている人からの紹介なので、自身と顧客の両者ともが安心して業務に取り組めます。
マッチングサービスを活用する
フリーランスまたは副業コンサルタントとコンサルティング案件のマッチング支援を行っているサービスを活用する方法です。
具体的にはマッチングサイトとマッチングエージェントがあり、前者は自身で直接案件に募集し、後者はエージェントを通して案件に応募します。
弊社Liberty Nationはマッチングエージェントに該当します。
まとめ
ITコンサルティング市場は急速に拡大しており、フリーランス向けの案件も年々増えています。そのため、フリーランスITコンサルタントの案件獲得難易度は下がりつつあります。
加えて、ITコンサルタントと名乗るために必須の資格はなく、独立すると収入は増やしやすい上に働き方も自由になるなど、フリーランスのITコンサルタントになるメリットは多いです。
本稿を読み、ITコンサルタントとしての独立や案件獲得を具体的に検討してみたくなった方は、ぜひ弊社Liberty Nationをご活用ください。
弊社ではITコンサルティングやデジタルコンサルティングなど、多岐にわたるコンサルティング案件をフリーランスコンサルタントにご紹介しております。
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