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2021.12.6
RPAの資格おすすめ5選!取得後に活躍できる業界や取得するメリットについても解説
人手不足解消と働き方改革が注目されている今、各企業でRPAツールを導入する動きがあります。
そんな需要の高まりを見せる中「RPAに関する資格を取りたい」「RPAにはどのような資格や学習方法があるのだろう」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではおすすめのRPA資格5つについて紹介します。これからRPAの資格取得を目指す人はぜひご覧ください。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)は、人の手で作業しているものを機械化して作業効率を上げる技術を指す言葉です。
RPA活用は人件費削減の他、ミスのない業務を進められるメリットがあります。
中でも有名な資格が「RPA技術者検定」です。RPA技術者検定の学習を通じてRPAツール「WinActor」の使い方が学べます。また、RPA技術者検定以外にもRPAに関する資格はさまざまあります。
ここで、本稿でご紹介するRPA関連の資格5選をリストアップしておきます。
- RPA技術者検定(WinActor)
- UiPath Certified Professional
- BizRobo! 検定
- Automation Anywhere Certification
- Blue Prism Certification
これらの資格はRPA案件に携わるうえで必須の資格ではありませんが、RPAを理解、ツールを使いこなすうえで、持っていると非常に有効な資格です。詳しくは次項で解説していきます。
RPAについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひ読んでみてください。
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RPAとは?注目される背景やメリット・デメリットをわかりやすく解説
RPA技術者検定(WinActor)の種類
NTTデータが主催するRPA技術者検定の資格は3種類あります。いずれも受験資格は必要ありませんが、受験料金と内容がそれぞれ異なります。
なおプロフェッショナルに関しては今後実施が検討されているレベルで、今のところは開催されていません。
種類 | 料金 | 検定内容 |
---|---|---|
アソシエイト | 7,150円(税込) | WinActorの基本の活用方法を選択形式で出題し、WinActorを活用する上での基礎知識が身についているかを測る検定 |
エキスパート | 21,780円(税込) | WinActorの基本機能を利用したシナリオの新規作成と修正について出題し、実際の業務におけるWinActorを活用した自動化の技術レベルを測る検定 |
プロフェッショナル | 未定 | 未定 |
アソシエイト
アソシエイト技術者検定は、WinActorの基礎知識について問われる検定です。
検定時間は60分、多肢選択式の50問で出題され、7割以上の正答率で合格となります。
WinActorの概要をはじめ機能に関する知識やシナリオに関する知識が求められます。
2018年4月26日以降、年末年始を除く毎日実施、さらに47都道府県で実施されているのが特徴です。
エキスパート
エキスパート技術者検定は、WinActorを用いたシナリオの作成と修正、開発ができるといったプログラミング能力を問う検定です。
検定時間は120分、選択問題30問と実技検定問題3問が出題され、6割以上の正答率で合格となります。
実務レベルでWinActorを使いこなせる証明になるもので、プロフェッショナルが実施されていない現在(2021年10月時点)、最も高いレベルの検定です。
エキスパートは年4回各主要都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)で開催されています。
プロフェッショナル
プロフェッショナル技術者検定はRPA検定で最難関に位置するレベルですが、現在実施されていません。
「受験資格はエキスパート検定の合格者」「実技と面談が120分」「東京で年1回実施」などが検討されている段階です。
RPA技術者検定以外のRPA資格
RPA技術者検定以外の検定を紹介します。
国内では主に下記の4つの資格があります。
検定名 | 料金 | 内容 |
---|---|---|
UiPath Certified Professional | 【RPA Associate】 17,600円(税込) |
RPAの基礎的な内容を測る検定 |
【Advanced RPA Developer】 24,200円(税込) |
複雑なRPAソリューションの設計開発の専門知識を測る検定 | |
BizRobo! 検定 | 【DS検定試験/DA検定試験】 2,200円(税込) |
Design Studio開発やDevice Automation/Desktop Automation開発を始めるための基礎知識を測る検定 |
【認定開発者検定】 27,500円(税込) |
実際にロボットを作成する技能を測る検定 | |
Automation Anywhere Certification | 【Advanced RPA Professional】US$50/6,050円(税込)※ | 製品概要およびサーバー機能・クライアント機能についての理解度を測る検定 |
【Master RPA Professional】 US$100/12,100円(税込)※ |
Advancedの理解に加え、Bot作成スキルがあるかを測る検定 | |
Blue Prism Certification | 【Blue Prism Developer】16,720(税込) | 開発概念と機能についての知識を問う検定 |
【Blue Prism Professional Developer】
16,720(税込) |
最適な開発、ブラウザの自動化などSurface Automation全般の理解度を測る検定 | |
【Designing Blue Prism Process Solutions】
16,720(税込) |
安全かつ効率的な問題解決プロセスの設計方法と原則についての知識を測る検定 |
出典:UiPath 認定資格プログラム 公式
rpa_exam_description.pdf (uipath.com)
ard_exam_description.pdf (uipath.com)
RPAテクノロジーズ株式会社 BizRobo!アカデミー 公式
RPA プロフェッショナル認定証
Blue Prism
※1ドル=110円+税で計算
UiPath Certified Professional
「UiPath Certified Professional」は、UiPath社が提供するRPAツールを使用した技術的知識とスキルを認定する資格です。
国内でも導入率の高いRPAツールで、検定は基礎的知識が問われるAssociateと専門性の高いAdvancedの2種類に分けられます。
UiPath Certified RPA Associate
UiPathの一つ目が、「UiPath Certified RPA Associate」です。
Uipath社の製品を元にした業務分析や簡単な自動化のソリューション構築が問われます。試験時間は90分で、多項選択式で70%の正答率で合格となります。
Associateの出題範囲は下記のとおりです。
- UiPath Studio の概要
- 変数と引数
- セレクター
- 制御フロー
- データ操作
- UiPath の自動化概念とあらゆるテクニック
- UiPath Orchestrator の概要
学習はUiPath社が無料で提供している、下記アカデミートレーニングで進められます。
- RPA スタータープログラム
- RPA デベロッパー基礎プログラム
- Automation Version Control Systems (EN コース)など
参照:rpa_exam_description.pdf (uipath.com)
UiPath Certified Advanced RPA Developer
Associateの上級にあたるのが「UiPath Certified Advanced RPA Developer」です。
さらに複雑なRPAソリューションの設計開発の専門知識が問われます。試験時間は120分で、多項選択式で出題され70%の正答率で合格となります。
Advancedの出題範囲は次のとおりです。
- UiPath Studio の概要
- アクティビティと各種プロパティ設定方法
- REFramework (Robotic Enterprise Framework)
- セレクター
- .NETクラスとオブジェクト
- メソッドの高度な活用方法
- UiPath Orchestrator の活用
学習はUiPathが無料で提供している下記アカデミートレーニングで進められます。
- RPA デベロッパー上級プログラム
- Introduction to Logging (EN コース)
- Invoke Method and Invoke Code (EN コース)など
参照:ard_exam_description.pdf (uipath.com)
BizRobo! 検定
「BizRobo! 検定」は、RPAテクノロジーズ株式会社が主催するユーザー開発スキル、熟練度確認に用いられる検定です。
国内で導入されている「BizRobo!」の理解度を問う内容となっています。
BizRobo! 検定は初心者向けの「BizRobo! 基礎検定(DS検定/DA検定)」と「BizRobo! 認定開発者検定」の2つです。
いずれもオンライン受験が可能で、DS検定/DA検定は7割以上、認定開発者検定は5割以上の正答率で合格となります。
RPA技術者検定と同じく日本語での受験ができます。
Webセミナーやeラーニングの他、RPAテクノロジーズ提供の「BizRobo!ナレッジベース」や「BizRobo!アカデミー」で学習可能です。
参照:RPAテクノロジーズ株式会社 BizRobo!アカデミー 公式
Automation Anywhere Certification
「Automation Anywhere Certification」は、Automation Anywhere社が実施するRPAの知識を問う資格です。
基礎知識を問うAdvancedと上級者向けのMasterの2種類があります。
Advancedは40問の多肢選択式で試験時間は60分、70%以上の正答率で合格となります。
Masterは多肢選択式と実技試験が出題され、多肢選択式は60分、実技試験は2週間期間が設けられています。多肢選択式は80%、実技試験は75%以上の正答率で合格です。
試験はいずれも英語で出題されるため、ビジネスレベルの語学力が必須と言えます。
Automation Anywhere Certificationは公式サイトでオンライン学習できる環境が整っているため、ご活用ください。
Blue Prism Certification
「Blue Prism Certification」は、Blue Prism社が提供するRPAツール「Blue Prism」の技術を問う資格です。
全部で6種類あり、それぞれの試験に合格するとデジタル認定証が発行されます。
- Blue Prism Developer
- Blue Prism Professional Developer
- Blue Prism ROM Architect
- Designing Blue Prism Process Solutions
- Designing a Blue Prism Environment
- Installing and Configuring a Blue Prism Environment
日本語で受けられるのは「Blue Prism Developer」、その上級資格にあたる「Blue Prism Professional Developer」「Designing Blue Prism Process Solutions」の3種類のみです。
試験時間と合格率は次のとおりです。
資格名 | 出題方式 | 試験時間 | 合格ライン |
---|---|---|---|
Blue Prism Developer | 60問の多肢選択式 | 60分 | 正答率70%以上 |
Blue Prism Professional Developer | 50問の多肢選択式 | 60分 | 正答率70%以上 |
Designing Blue Prism Process Solutions | 27問の多肢選択式 | 60分 | 正答率70%以上 |
出典:Blue Prism Developer
Blue Prism Professional Developer
Blue Prism Certification Solution Designer
Blue Prismにはオンボーディングが用意されています。技術の仕様や活用方法を他のユーザーとシェアでき、RPAの学習も可能です。
RPAの資格を取得するメリット
RPAの資格を取得するメリットは次の4つです。
- RPAの知識や技術が身につく
- 自己アピールにつながる
- 収入アップが見込める
- フリーランスとして独立できる
RPAの知識や技術が身につく
1つ目のメリットがRPAの知識や技術が身につくことです。
資格取得の学習を通じて、より実践的な知識やスキルが身につきます。また、実務でどれくらいの知識やスキルが求められているかの把握もスムーズです。
自己アピールにつながる
RPAに関する資格を取得すれば、自己アピールの材料となります。
RPAエンジニアやRPAコンサルタントの職に就くことができ、キャリアの選択肢が広がることでしょう。就職や転職の際、RPAツールの知識を持った人は業界や会社規模を問わず重宝されます。
なお「RPA技術者検定」の場合は、取得後に自身の名刺へ印刷が可能です。RPAのプロフェッショナルとして自分を売り込めます。
収入アップが見込める
その他に収入アップも見込めます。
就職・転職の際RPAの資格を持っていることをきっかけに、良い条件で企業から採用されることがあるからです。
現在、RPAに関して資格手当をつける企業も増えています。今勤めている会社で資格取得した場合は、評価が見直されて昇給が期待できるでしょう。
フリーランスとして独立ができる
RPAの知識があればフリーランス独立も視野に入れることができます。
具体的には、フリーランスとして次のような案件が受けられます。
- RPA導入に関するコンサルティング
- プリセールスやRPAを使用した開発やトレーニング
- RPAのUiPathシナリオ対応など
RPAフリーランスの仕事探しは、エージェント登録やクラウドソーシングサービス利用がおすすめです。さらに自信のブランディングができるなら、SNSやブログを使って仕事を探すこともできます。
弊社Liberty NationでもRPA案件を多数取り扱っています。フリーランスまたは副業で活動中の方でRPA案件をお探しの方は、以下からお気軽にお問い合わせください。
RPA技術者検定の資格を取得するための勉強法
まずRPAの資格で取得しておきたいのが、国内で知名度の高いRPA技術者検定です。
ここでは、RPA技術者検定の具体的な勉強方法を4つ紹介します。
- RPA入門講座を受ける
- eラーニングを受講する
- 参考書やテキストで学習する
- 実際にBotを作成する
RPA入門講座を受ける
まったくの未経験から勉強を進めたい人には「RPA入門講座」がおすすめです。
入門講座はRPA技術者検定のサイトから誰でも無料で受講ができます。
50分の概要紹介ビデオを閲覧後、20問の熟練度確認テストが行われます。確認テストは正答率8割以上で合格です。
アソシエイトやエキスパートを取得する前の準備運動として受けてみることをおすすめします。
参照:入門講座
eラーニングを受講する
RPA技術者検定は、インターネットを介した「eラーニング」受講でも学習ができます。
なかでも講師から学べるオンライン形式の学習サイトは、自身の疑問を都度解消しながら学習が進められるのでおすすめです。
eラーニングは自宅で手軽に始められるのがメリットで、通勤時間や休憩時間といったスキマ時間に学習が進められます。
サービスによっては入門講座なら無料で利用できるものもあります。時間的・コスト的に余裕のない方は検討してみましょう。
参考書やテキストで学習する
RPA技術者検定は、WinActorを対象とする参考書が豊富でテキスト学習ができます。
おすすめは過去問付きの問題集です。過去の出題傾向を知りながら学習でき、RPA技術者検定に関してより理解が深められます。
「RPA技術者検定」のサイトでサンプル問題がダウンロードできるので、まずはそこからスタートしてみましょう。
テキスト学習はじっくりと時間をつくって学習したい人におすすめです。
実際にBotを作成する
実際にBotを作成すればRPAツールの感覚がつかめて資格の学習にも役立ちます。
勤めている会社でRPAの導入を検討しているなら、限定的に導入してもらえないか提案してみても良いでしょう。難しい場合は、まず個人のPCから実践してみるのもおすすめです。
RPA技術者検定に限らず、上位資格では実践が必須項目となることがほとんどです。早いうちからBot作成にも慣れておきましょう。
RPA関連の仕事とは
RPAの資格を取得、使いこなせることによってどのような仕事に就けるのでしょうか。
今回は2つを紹介します。
- RPAエンジニア
- RPAコンサルタント
RPAエンジニア
RPAエンジニアは、RPAロボットの設計から運用、サポートまでを手がける仕事です。
導入・開発・保守などそれぞれのフェーズによって仕事内容が異なり、さまざまな場面で活躍できる職種です。
会社規模によっても変動しますが、年収相場は未経験者で350〜500万円程度。経験者は800〜1,100万円以上です。
他のITエンジニアと比べても同レベル、あるいはそれ以上の年収相場となっています。
参照:RPA エンジニアの転職・求人・中途採用情報【doda(デューダ)】RPA エンジニアの転職・求人・中途採用情報【doda(デューダ)】の公開求人より推測
RPAコンサルタント
RPAコンサルタントは、RPA導入に関する提案やアドバイスを行う仕事です。
「すでにRPAを導入しているのに定着しない」「想定よりも効果が出ていなくて困っている」という声は多く、コンサルティングファームや大手Sler、IT企業RPAベンダーなどの受託企業がRPAコンサルタントを募集しています。
RPAコンサルタントの年収相場は、知識や実力によっても変動がありますが約500〜1,000万円です。ニーズが高いので、今後市場が拡大する可能性があります。
参照:RPA 転職の転職・求人・中途採用情報【doda(デューダ)】の公開求人より推測
RPAの国内市場や需要の高さに関して知りたい方は以下をご覧ください。
RPAのフリーランスや副業については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひ読んでみてください。
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RPAはフリーランスで稼げる?単価相場や案件の動向・必要なスキルや将来性を解説
まとめ
人手不足解消や労働環境の見直しが注目される現代、多くの企業で生産性・効率性を向上させるRPAの導入を検討しています。
RPAの知識やスキルを持った人材が重宝される傾向にあるため、資格取得は今がチャンスです。
資格を取得すれば企業で活躍できるだけでなく、フリーランスとしても働けます。
弊社Liberty Nationでもフリーランスとクライアントのマッチングサービスを展開しています。フリーランスのRPAエンジニア、RPAコンサルタントに興味のある方はぜひ以下バナーよりご登録ください。