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2022.1.25

BIツールとは?機能・メリット・活用事例を徹底解説!

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高度な分析、大量データの分析をスピーディーに求められるようになり、続々とBIツールを導入する企業が増えています。

この記事にたどり着いた方も、これからBIツールの導入を検討している人やBIツールがどのような役に立つのかを知りたいと思われて検索されたことでしょう。

そこで本稿では、BIツールの概要をご説明するとともに、導入によってどのようなメリットがあるのか、また実際に導入した企業がどのような効果を得られたのかという活用事例を解説します。

BIツールとは

BIツールとは「Business Intelligence Tool(ビジネスインテリジェンスツール)」の略称で、膨大なデータを分析して経営上の重要な意思決定をサポートするツールのことです。

よく混同されやすいのは「Data Ware House(データウェアハウス、以下DWH)」や「Data Mart(データマート)」などが挙げられます。これらとBIツールは似て非なるものです。

いずれも、意思決定をサポートする目的で行われる分析業務を効率化するためのツールです。しかし、DWHはBIとは違って「可視化」に対応しておらず、「データの倉庫」という意味合いが強いです。

また、データマートはBIとは異なり「多種多様な分析」に対応しておらず、1種類の分析だけが可能な軽量版分析ツールという位置付けです。

いずれもメリットとデメリットがあるため、BIツールとその他ツールの棲み分けや選定基準は明確にしておくことが重要です。

BIツール導入のメリット

BIツールを導入するメリットは大きく3つあります。それぞれ詳しく解説します。

膨大なデータをリアルタイムで分析できる

BIツールを活用すれば、ExcelやGoogleスプレッドシートでは分析できないような大量のデータを取り扱えます。

迅速な意思決定が求められる現代では、スピーディなデータ分析を行いたいというニーズは強く、そして増え続けています。そういったニーズに応えられるものがBIツールです。

BIツールを使えば、複数システムに跨がるデータソースからデータを連携し、素早く分析を行えます。

データの一元管理ができる

BIツールを活用することで社内でバラバラになっているデータを一元管理できます。

データが散在していると、管理コスト・コミュニケーションコスト・データ収集コスト・データ加工コストが高くなりますが、BIツールで連携できればそういったコストを削減可能です。

ただし、ここでいう「管理」とは、データの保存先をBIツールに集約させるという意味ではないことに注意してください。

◆例

  • データベースA
  • データベースB
  • CRM
  • Google Analytics

BIツールが実現できることは、上記のようにさまざまなデータストレージに保存されている各種データを連携し、BIツール上でのデータ分析を可能にすることです。BIツールが上記データのすべてを保持するかどうかは設計次第で異なります。

データ基盤の設計を行う場合は、どこにどのデータを格納して、どのように他システムと連携させるか、などを考える必要があります。そのためデータ基盤の構築に携わる人は、データの保存先による影響をきちんと把握しなければいけません。

レポート作成コストを削減できる

BIツールにはレポート作成機能がついているものがほとんどです。そのため、社内でデータを共有する際の書類作成コストを削減できます。

また、リアルタイムでデータが可視化されるため、KGIやKPIの進捗率を確認するのも容易になり、どこにどんな問題が発生しているかをより早く察知できます。

ただし、導入するBIツールや分析内容によっては分析者が独自にカスタマイズする必要があります。どのデータソースからどのデータを連携するのか、連携のためにどんな加工処理をどのインターフェースで実装するのかなどは、BIツール導入前に検討する必要があるでしょう。

一箇所にデータが格納されているデータレイク型のデータ基盤であれば、データの種類が増えても連携コストが増えることはありません。

一方で、複数箇所にデータが格納されている分散型のデータ基盤の場合は、データの種類またはデータ格納先が増えるたびに連携コストが増えます。その分、データの種類が増えても柔軟に対応しやすいというメリットもあります。

このように現在のデータ基盤によって、今後のデータマネジメントにかかるコストは大きく異なります。

そのため、レポート自体を作成するコストは削減できても、データマネジメントにかかるコストが増加する可能性もあることは覚えておきましょう。

BIツール導入のデメリット

BIツールを導入すれば多大な恩恵を受けられますが、デメリットもいくつかあります。導入前に必ずデメリットも確認するようにしましょう。

データを上手に活用できるかは分析者に依存する

BIツールはデータ分析を容易にできますが、意思決定に役立つかどうかは分析者の「データを正しく読み解くスキル」などの分析技術に依存します。

そのため、BIツールを導入したからといって必ずしも効果を得られるかは分かりません。

たとえば、オープンソースでサーバー代以外は無料で使えるRedashというBIツールを導入する場合、ダッシュボードやSQLはすべて分析者が作る必要があります。

そのため、データ分析に必要な帳票設計から帳票項目の取得方法まで具体的に考えられ、それらを実装できる能力がなければRedashというBIツールは有効活用できません。

投入データが分析の精度を左右する

BIツールは投入されたデータの分析が可能ですが、もし投入データが古く現在の市場環境にそぐわない場合は役に立たない可能性があります。

なぜなら、過去データから導きだされた示唆は、あくまでも「その時点」での示唆だからです。現在の市場環境にも適用できる示唆かどうかは別途判断が必要になります。

BIツール導入に伴い、過去データを丸々BIツールに投入する企業が散見されますが、分析の目的に応じて分析対象のデータを選定しなければ有益な示唆は得られないことは覚えておきましょう。

なお、データ分析の精度を高めたい方はDMBOKというデータマネジメントの教科書を読んでみることをおすすめします。この本には、データ品質を担保する方法についても詳細に記述されています。

BIツールが持つ4つの機能

一般的なBIツールが持つ機能は大きく4つです。

レポーティング機能

BIツールに投入されたデータを可視化・レポーティングする機能(ダッシュボード)が備わっています。

レポーティング機能があることで、ビジネスを俯瞰的に捉えられるたり、レポーティングのコストを削減できます。

また、企業活動において何らかの異常が発生した場合、状況把握・評価・分析を行い、手遅れとなるトラブルへと派生する前に対処・軌道修正を行えます。

KGIからKPI、先行指標を1つの画面にまとめてレポーティングすることで、マネジメントレイヤーは複数画面・複数資料を行き来することなく重要な指標の進捗を確認できるでしょう。

OLAP分析機能

OLAP(オーラップ)分析とは「Online Analytical Processing」の略称です。オンラインと聞くとインターネット接続をイメージしやすいですが、OLAP分析のオンラインは「リアルタイム」を意味します。

この機能があるからこそ複雑な分析もリアルタイムに分析ができ、今の時代にあったスピーディーな意思決定を実現できます。

なお、OLAP分析機能では、複数次元データベースの高速処理、縦横軸の自由変換が可能です。解析手法は「スライシング」「ダイシング」「ドリル」の大きく3つがあり、分析の目的に応じるものを選びます。

それぞれの解析手法の概要は以下の通りです。

スライシング 多次元データベースを二次元の表形式に整形し解析する手法
ダイシング 多次元データベースの縦横軸を自由に指定、観測して解析する手法
ドリル 集計結果の内訳を掘り下げるドリルダウン、集計元の内訳を掘り下げるドリルスルーの2パターンで解析する手法

データマイニング機能

データマイニングとは、統計学や人工知能(AI)を活用して大量のデータから有益な情報を発掘(マイニング)することです。

OLAP分析は多次元的にデータを捉えるのに対し、データマイニングでは重回帰分析(*1)などの統計的な数式を使ってデータ分析を行います。

この機能は感覚的に使えるものもありますが、先述の通り数値が持つ意味を適切に捉えられなければ、誤った示唆を出してしまうかもしれません。

そのような事態に陥らないためにも、これからBIツールで分析を行う人は統計学を学ぶことをおすすめします。

*1:重回帰分析とは、複数の説明変数から目的変数を算出する分析技法です。将来の売上予測を算出する際などに用いられます。

プランニング機能

プランニング機能は、過去データをもとに最適な数値を算出する機能のことです。

たとえば、過去データをもとに予算策定を行う際にプランニング機能を使ってシミュレーションを行うことができます。そのため「シミュレーション機能」と表現されることもあります。

BIツールの活用事例

BIツールの活用事例をご紹介します。

事例①:タレントマネジメント

キリンホールディングスがタレントマネジメントにLakeel BIを活用した事例です。

大規模な企業の場合、採用に携わる人員数と採用数の両方が多いため、採用活動のための情報共有にかかるコストも非常に大きくなりやすいです。したがって、BIツールの導入は非常に合理的と言えるでしょう。

課題

キリンホールディングスが解決したかった課題は以下の通りです。

  • ノウハウ属人化の解消
  • 人材データ統合による面談の効率化
  • レポーティングコストの削減

効果

上記課題を解決するため、Lakeel BIを導入した結果、以下の効果を得られました。

  • 人材データの整理と把握にかかるコストを約50%削減

参照:人事面談前の人材情報の整理・把握の時間を約50%削減 統合された情報を活用した面談でマネジメントの精度向上を実現|セルフサービスBI-LaKeel BI

事例②:商品開発

楽天損害保険がTableauを活用した事例です。

楽天損害保険では、以前からBIツールの導入自体は完了していましたが、当該ツールの操作・扱いが難しいという理由で結局Excelを使った分析を行っていました。

また、商品開発を目的としたアドホック分析のためには、都度ユーザーデータの収集から始める必要があり、分析コストが嵩んでいたという背景があります。

これらの課題を解決するためにTableauというBIツールを導入しました。

課題

楽天損害保険が解決したかった課題は以下の通りです。

  • レポーティングコストの削減
  • 属人化されたデータ抽出やデータ加工の解消

効果

上記課題を解決するため、Tableauを導入した結果、以下の効果を得られました。

  • 月次レポート作成コストが約1/80に。

参照:​​リスク・収益管理の工数を削減するためTableauを導入

BIツール導入事例 – サービス別に紹介 | 業種別の課題と解決方法 | ボクシルマガジン

まとめ

BIツールはデータ分析を効率的に行えるものです。従来までは統計学などの専門知識がなければ分析できなかったことも、BIツールがあれば画面上の操作で簡単に実現できます。

このような技術革新の背景には、データ分析の需要増があります。近年はデータアナリストの需要が高まっており、BIツールを上手に活用できる人材の市場価値は高くなってきています。

そのため、データ分析スキルを身につければ、フリーランスまたは副業でデータアナリストとして案件を請け負うこともできるような時代になりました。

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