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2022.2.23
基幹システムとERPの違いは何?ERPに切り替えるメリットや導入形態についても紹介!
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基幹システムを使っていた企業も、時代の流れに合わせてERPに移行するようになってきました。
ERPは個々に管理されている社内データを統合・管理できるもので、規模を問わず多くの企業で導入が検討されています。
従来の基幹システムとの違いはどこになるのか、ERPを導入するメリットはどこになるのか知りたい人も多いのではないでしょうか。
今回は、基幹システムとERPの違いについて解説したのち、ERPに切り替えるメリットや具体的な導入形態について紹介していきます。ERPのことを知りたい人はもちろん、これからERP導入を検討する企業の人も、ぜひチェックしてみてください。
基幹システムとは?
基幹システムとは、企業の主要業務を支えるシステム全般を指した言葉です。
基幹システムとは、「バックオフィス系システム」「業務系システム」と呼ばれており、下記のようにさまざまなシステムに分けられます。
- 生産管理
- 販売管理
- 在庫管理
- 受注管理
- 財務・会計管理
- 勤怠管理
- 顧客管理
基幹システムは独立したシステムとして構築されることが多く、データベースに違いがあったり仕様が異なったりするのが一般的です。
いずれの基幹システムも業務の効率化向上が目的に使用されているもので、導入により人の手で行っていた業務において工数短縮や人為的ミスを減らせるようになりました。
ERPとは?
従来のERP(Enterprise Resource Planning)は、企業が有する資源(ヒト・モノ・金・情報)を一元化して管理し、リアルタイムな経営判断に役立てるためのITシステムでした。
しかし現在では、統合基幹業務システムを指す言葉として認知されています。
ERPは企業内で散らばっている情報を一個所に集めて、企業の現在の課題を洗い出し、経営戦略や戦術の決定に役立てられるのが特徴です。
ERPは経営状況の可視化を実現するために創り上げる基盤となる存在として、現在注目されています。
ERPとは何かについては以下の記事で詳しく解説しています。
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基幹システムとERPの明確な違い
結論から言えば、基幹システムとERPでは「システムの目的」が異なります。
基幹システムは枝分かれしているため、一部のシステムを強化してもその分の効果しか得られないのが特徴です。
一方ERPは経営基盤そのものを強化するためのシステムなので、導入すれば組織が持つ経営上の課題の洗い出しや意思決定といったスピードが向上します。
簡潔に言えば基幹システムは「各部署で独立した、業務に必要なシステム」であり、ERPは「各部署のシステムを統合し、素早く経営判断をくだせるようにしたオールインワンパッケージのシステム」です。
これまで独立していた基幹システムを統合したものがERPだと考えると、わかりやすいかもしれません。
基幹システムの動向
基幹システムの動向は、大きく分けて2つの事柄で説明ができます。
- システムの老朽化が懸念されている
- ERPに統合されつつある
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
システムの老朽化が懸念されている
基幹システムはシステムの老朽化が懸念されています。
現在基幹システムは古いものが多く、セキュリティ面、処理能力の面で今後使い続けるのが難しくなるでしょう。
開発言語が古くバージョンが旧式の場合は、技術的な寿命によりサポートが打ち切りになることもあります。
さらに旧システムを扱えるエンジニアが不足している背景もあり、従来の基幹システムでは保守・点検を満足に行えなくなる可能性も出てきているのです。
ERPに移行されつつある
各企業で基幹システムをERPに切り替える動きがあります。
情報が複雑化される現代、データ分析の際に従来の基幹システムでは収集や加工に時間がかかってしまいリアルタイムな分析ができないということが多々あるからです。
また分断化されたシステム環境は非効率であり、これからの時代にそぐわないことを各企業は理解し始めているということもあります。
そのため、企業内の各基幹システムを、各部署に散財するデータを統合し効率的に集約・分析できるERPに統合しようという企業が増加しているのが現状です。
ERPと言えばコスト面の不安があるかもしれませんが、中小企業やスタートアップ企業では、初期費用や運用工数が抑えられるクラウドERPに注目しています。
このように企業規模を問わず、これからはERPを導入しようとする動きが出てきているのです。
基幹システムをERPに統合するメリット
ERPに基幹システムを統合するメリットは、次の4つが考えられます。
- 情報が一元化される
- 情報分析がしやすくなる
- コスト削減ができる
- スピーディーな経営判断ができる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
情報が一元化される
ERPであらゆる情報が一元化される点が大きなメリットです。
従来の「製・販・在」でそれぞれ分離していた基幹システムを、ERPによって統合すれば、業務部門間の情報伝達速度は格段に向上します。
情報の一元化により経営状態が見える化され、経営戦略を打ち出しやすくなるというメリットにもつながるでしょう。
またシステムを統合すると、これまで起きていたデータの食い違いや抜け漏れなどの人的ミスもさらに減る可能性があります。
情報分析がしやすくなる
ERPを活用すれば、情報分析がしやすくなります。
あらゆる種類の情報を必要に応じて分析することで、話題のビッグデータ分析を実現することも可能です。
その分析により、今まで気づかなかった企業の問題点が見つかる可能性もあります。
またBIを標準搭載したERPであれば、ユーザーが簡単に売上等に関するデータ分析をできるようになるでしょう。
このようにERPは情報分析により新しいビジネスを生み出したり、業務効率化のためのヒントが見つかったりします。
コスト削減ができる
ERPに統合すると、結果的にコスト削減ができます。
正確な在庫管理ができるようになり、無駄なチャンスロス(機会損失)を防げるようになるからです。
無駄を少なくして、コスト削減と利益増大という両面を発揮できるのはERP導入の大きなメリットでしょう。
さらにERPなら正確なデータが社内で共有され、資材の在庫数など経営に必要な数字の管理も常に適切になります。
これにより、各倉庫の在庫余りなどの収益がマイナスになってしまう事態も防げるでしょう。
スピーディーな経営判断ができる
ERPに移行することで、さらにスピーディーな経営判断ができるようになります。
従来の基幹システムだと経営判断が必要な場面で、必要な情報を個々に集めて分析するという時間的な手間がありました。
しかしERPなら社内全体でデータを共有できるため、迅速な経営判断が可能となります。
IT化やグローバル化が広がる現代において、経営判断がスピーディーになるERPは必須のシステムと言えるかもしれません。
ERPの種類
ERPには3つの種類があります。
- 統合型(オールインワン)ERP:企業のデータを一元管理できる
- コンポーネント型ERP:既存の業務システムの最適化を目的としている
- 業務ソフト型ERP:特定の分野で一元管理ができる
企業の規模や従業員数に応じて、自社にとって最適なERPを選ぶと良いでしょう。
ERPの種類については以下の記事で詳しく解説しています。
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ERPって何?導入のメリットや種類、基幹システムとの違いをわかりやすく解説
ERP(統合基幹業務システム)が解決できる課題は何か
ERP(統合基幹業務システム)が解決できる課題は、大きく分けて3つです。
- リアルタイムでデータを解析できる
- 信頼性の高いデータを集められる
- 内部統制や監査対応を強化できる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
リアルタイムでデータを分析できる
情報資源が一元管理でき、リアルタイムでのデータ分析が可能となります。
ERPにより会計や販売情報、そして生産情報や在庫情報などが一元的に同一システム内で管理されるからです。
なおERPはBIツールとの相性が良く、連携することでスピーディに経営戦略を練ることもできます。
信頼性の高いデータを集められる
ERPは、より信頼性の高いデータを集められるようになります。
正確な現場の販売データや在庫データが瞬時に反映され、各情報間と連携が取れるようになるからです。
各業務システムで相互連携が取れる点で、統合基幹業務システムは企業活動をする上での非常に大きな強みと言えるでしょう。
内部統制や監査対応を強化できる
ERPで内部統制や監査対応を強化できるようになります。
統合化されたシステム環境では、各業務システムに関するアクセス権限設定とポリシー設定ができ、操作ログの取得なども容易にできるようになるからです。
社内の全てのデータに対する更新や申請の権限を適正に管理することが可能になり、故意または過失による不正なデータ閲覧や書き換えを防止できます。
ERPの導入パターン
ERPには2つの導入パターンが存在します。
- オンプレミス型
- クラウド型
それぞれの特徴について解説いたします。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社サーバーにシステムを構築する導入方法です。
自由自在にカスタマイズできるのが特徴で、大人数で利用しても長期間使ってもシステム自体の費用は変わりません。
大企業や長期的利用を考えている企業が使いやすい導入方法と言えるでしょう。
なお、オンプレミス型は自分たちの業態に即した形にフルスクラッチで構築する、テンプレートに追加開発する形で構築するといった方法があります。
クラウド型
クラウド型ERPは、外部のデータセンターやサーバーに実装する導入方法です。
かつてはERPといえばパッケージ型が主流でした。しかし今ではクラウドサービスを活用したERPへ移行する動きが増えており、クラウド型が基本となってきています。
オンプレミス型と比較しても導入コスト、運用・保守コスト、導入期間の負担が軽く、中堅・中小企業が使いやすいでしょう。
またサーバーやネットワーク機器といったハードウェア資源の調達が必要なく、導入時の金銭的負担が軽くなることもメリットです。
ERPを導入する際のポイント
ERPを導入する際のポイントは下記の3つです。
- 導入の目的を明らかにする
- 各部署と入念に打ち合わせをする
- 種類や導入パターンを知っておく
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
導入の目的を明らかにする
最初になぜ導入するのか、ERP導入の目的を明らかにすることが重要です。
目的を明確にすれば、必要な機能が把握でき導入がスムーズになります。
さらに明確化することで、社員へERP導入の目的をわかりやすく説明できるようになるでしょう。
事前にしっかりと伝えておけば、社員がERP導入に戸惑うようなことも無くなります。
各部署と入念に打ち合わせをする
ERPを導入するとき、各部署との打ち合わせも重要になってきます。
ERPは社内の業務全般に深く関わっていくので、広い範囲をカバーできるように複数の推進者を選定するのがポイントです。
部署間をまたいで発言できる、経営層に近い役職者が推進者としては相応しいでしょう。
また、推進者以外にも各部署でプロジェクトの責任を負う担当者を選び、打ち合わせをするのが大切です。
種類や導入パターンを知っておく
ERPの種類や導入パターンを知っておきましょう。
先述のとおりERPには3つの種類と、2つの導入パターンがありそれぞれ特徴やメリットが異なるからです。
そのため、自社にとって使いやすい種類や導入方法は、企業によって異なるでしょう。
社内部門数などによって必要な機能は変わってくるため、特にERPの種類選びとベンター選定は重要です。
自社にとって意味があるシステムのみを提供してくれるベンダーのERPを選んだ方がコストを抑えられ、適切な運用ができます。
ERPの導入に関わる仕事をするERPコンサルタントについては、以下にて詳しく解説しています。
▼関連記事
ERPコンサルタントの仕事内容とは?必要な資格や年収相場についても解説!
まとめ
基幹システムとERPの違いに触れながら、ERPのメリットや導入する際のポイントについてご紹介しました。
ERPは従来の基幹システムの上位互換とも言える存在で、社内システムを一元管理するために最適なシステムです。
とはいえERPを導入したから全てが解決というわけではなく、種類や導入パターンを知り、ERPに関する知識を深めていくことが求められます。
また、今後ERPコンサルタントの需要はますます増加する傾向にあります。
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