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2021.12.6

CRMコンサルタントの仕事内容とは?必要なスキルや資格についても解説!

コンサル募集

CRMコンサルタントは、クライアント企業の利益を上げるために顧客目線をもち問題解決を進める仕事です。CRM系のプロジェクトは年々増加傾向にあり、大手だけでなく中小企業でも今後CRMコンサルタントを活用する時代に突入します。

そのため、CRMコンサルタントに興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

今回はCRMコンサルタントの仕事内容を紹介しながら、必要なスキルや資格について解説していきます。これからCRMコンサルタントを目指したい人はぜひチェックしてみてください。

CRMコンサルタントの仕事内容

CRMは「Customer Relationship Management」の略語で、日本では顧客情報、顧客分析、マーケティング等で用いられる言葉です。

CRMコンサルタントは、企業の解決課題を目的として次のような仕事を行います。

  • 調査・分析
  • 経営戦略の立案
  • チャネルの改革
  • CX戦略の立案
  • CRMシステムの提案・導入

以下にて仕事内容を詳しく解説します。

調査・分析

課題解決に向けて顧客から現状把握とニーズを聞き出し、調査・分析を行います。

正しく調査・分析を行えば、最適なタイミングにダイレクトメールやキャンペーン情報を顧客に届けることが可能です。またプロモーションを優先的に行うべき年齢層も見えてきます。

調査・分析の具体的な手段には、RFM分析やデシル分析、セグメンテーション分析などがあります。

RFM分析

RFM分析は、顧客ごとのRecency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)から分析する方法です。

導き出された結果をもとに顧客グループを特定することで、それぞれに応じたマーケティング対策をとります。

デシル分析

顧客の購入金額の高い順に10のグループ分けを行い、売上比率や購入比率を分析する方法です。ラテン語で「デシル」は10分の1を示します。

デシル分析の結果をもとに、売上に最も貢献している顧客層がどこにあるのかが明らかになります。

セグメンテーション分析

顧客の年代別や地域別にカテゴリ分けをして分析を行う方法です。どのカテゴリに顧客が集中しているのかを調べるときに用いられます。

ライフスタイルの変化やソーシャルメディアの普及による顧客の価値観の多様化で、現在このセグメンテーション分析の重要性が増しています。

経営戦略の立案

CRMコンサルタントは、重要顧客となるペルソナ(ターゲットとなる顧客像)を設定し、顧客視点に立った経営戦略を立案します。

ビジネスモデルの多様化で顧客の定義が複雑になっています。そのため年齢や職業、ライフスタイルまでを細かく想定して、よりターゲットを明確にする必要があります。

戦略立案は、そこに至るまでの問題発見や課題の設定も行わなければいけません。

チャネルの改革

チャネル(集客するための媒体、経路)の改革もCRMコンサルタントの仕事のひとつです。

「関連会社が別々に営業している」「インターネットサイトと営業部門が連動していない」といった理由で企業のチャネルが乱立していることがあります。

CRMコンサルタントは、顧客の求めるチャネル接点の水準を満たすレベルまで調整し、顧客目線で悩みを解決できるようなチャネルを再構築しなければいけません。

CX戦略の立案

CRMコンサルティングは、顧客体験にフォーカスしたCX(Customer Experience)戦略を立案します。

CX戦略は、ブランドにおいてどれだけ顧客が信頼や愛着を寄せているかなどをKPIで指標化して分析するのが基本です。

これまで経営戦略で重要視されていた顧客満足度であるCS(Customer Satisfaction)に加え、今後はこのCXを中心とする経営戦略に力を入れようとしている企業が増えています。

CRMシステムの提案・導入

調査・分析、戦略立案を経て、最終的にクライアントの課題を解決するためのCRMシステムの提案と導入を行います。

CRMは多くのベンダーにより販売されていて種類が豊富です。そのクライアントのニーズに沿った最適なシステムを選ぶ必要があります。

具体的なシステム例は次のとおりです。

  • SFA(営業支援システム、セールスフォース)
  • MA(マーケティングオートメーション)
  • コンタクトセンターシステム・Voc管理システム
  • CTIシステム
  • Web/Web-RTC
  • SNS関連システム
  • チャットボット・自動音声ボット・BI(ビジネスインテリジェンス)ツールなど

システム導入後は、継続的に運用できるように保守やサポートも実施しなければいけません。

CRMとERPの違いとは?

両者とも企業の情報資産を管理する意味では同じですが、守備範囲が異なります。CRMはフロントオフィス業務を管理するもの、ERPはバックオフィス業務を管理するものです。

言い換えればCRMは顧客との関係に至る部分まで顧客管理を行う業務システムで、ERPは企業のヒト、モノ、カネをトータルで管理して経営の効率化を図ります。

つまりCRMコンサルタントは、ERPよりもヒトに焦点を当てた経営戦略を考える仕事です。

CRMコンサルタントになるには?

CRMコンサルタントになる具体的な方法をいくつか紹介いたします。

主に次の3パターンで考えてみましょう。

  • 新卒入社
  • 転職・中途採用
  • フリーランス

新卒入社

一般的に、新卒入社でCRMコンサルタントに配属されることはほとんどありません。

CRMコンサルタントになる人の多くは、新卒でコンサルティング会社へ就職して経験を積んだのちCRM領域に携わっていくからです。

新卒で大手コンサルティングファームに入社できれば、CRM領域に挑戦できるチャンスがあります。

転職・中途採用

転職や中途採用は新卒よりもCRMコンサルタントになりやすいですが、コンサルタントとして一定の経験が求められます。

具体的にはCRMパッケージソフトベンダー出身者(事業会社などでCRM領域に関する業務に携わった経験がある人)や、マーケティング出身者、ITソリューションへの理解があるSE出身者などです。

とはいえ経験が薄い場合でも、大手ベンダー提供の資格(詳しくは後述)を取得しておくと深い知識を持っているという証明となり採用される可能性があります。

フリーランス

コンサルタントの経験があれば、フリーランスとして働くことも可能です。

フリーランスは時間に捕らわれず自由に働ける、自己研鑽に集中できるといったメリットがあります。

ネットワークにより仕事を獲得しやすくなるのがフリーランスの特徴です。弊社Liberty Nationのようなマッチングエージェントサービスを利用すれば、案件獲得とともにさまざまなフリーランスコンサルタントと繋がれるため人脈形成も可能です。

CRMコンサルタントに必要なスキル

CRMコンサルタントに必要な下記3つのスキルを紹介します。

  • コンサルティングの基礎知識
  • 立案力
  • コミュニケーション能力

コンサルティングの基礎知識

CRMコンサルティングは専門性が高いため、基礎的な知識が必要です。

ここで述べている基礎的な知識には「論理的思考」「仮説思考」「フレームワーク」「思考ツール」などがあります。これらはCRMに限らず、コンサルティングファームで働くために必須の知識ばかりです。

加えてSFDCやSAPなど各ソリューションに関する知識があれば、CRMコンサルタントとして仕事ができるようになります。

立案力

CRMコンサルタントは、最適な戦略を企画立案する能力が必要です。

立案するためには顧客が今求めている情報は何か、喜ぶサービスは何かを常に追求できる視点が求められます。

実際にCRMコンサルタントとして活躍している人は、ニュースやSNS、日常的な会話の中で常にアンテナを張りさまざまなトレンドに敏感です。

コミュニケーション能力

CRMコンサルタントは、コミュニケーション能力が必要です。

クライアントと課題意識を共有する際、その企業の社員と一緒に仕事をする場面が多々あります。ときには役員クラスの人たちと会食を交わすこともあるでしょう。専門性だけでなく誰とでも話のできるコミュニケーション能力が重要なのです。

またプロジェクトは対クライアントだけではありません。自社のチームともコミュニケーションをとって業務に当たる必要があります。

CRMコンサルタントに必要な資格

CRMコンサルタントに必須の資格はありませんが、ソリューションに関する資格があればクライアントから重宝されます。

ここではCRMコンサルタントで持っていると良い5つの資格を紹介します。

  • SAP
  • Oracle
  • Salesforce
  • 中小企業診断士
  • ITサービスマネージャ試験

SAP

SAPはERP市場大手のSAP社が公認する資格です。SAP製品に関する幅広い知識を持つ証明となります。

​​2025年の保守切れ(2027年に延長)を前にSAP S/4HANAへのアップグレードが必要な企業では、有スキル者の獲得に躍起になっています。SAP取得が必須の応募条件にしているところも多く、近年その需要は非常に高まってきています。直近3年間で、CRMコンサルタントが転職を目指す場合、もっとも武器になる資格の一つと言えます。

SAPは取得したら終わりではなく、ソフトウェアがアップデートされるたびに資格もアップデートしなければいけないのが特徴です。

合格すれば「SAP認定コンサルタント」と名乗れるので、フリーランスとして働くなら案件獲得にもつながります。

Oracle

Oracle(ORACLE MASTER)は、「日本オラクル社」が認定する資格です。オラクルアプリケーションズに関する幅広い専門知識を有している証明となります。

Oracleにはグレードがあり、「Bronze(ブロンズ)」「Silver(シルバー)」「Gold(ゴールド)」「Platinum(プラチナ)」の順に難易度が上がります。

難易度は高めですが、取得すればITに関わるコンサルタントへの就職や転職で優遇される可能性が高まります。

Salesforce

Salesforceは「株式会社セールスフォース・ドットコム」が提供する認定資格です。Sales Cloud、Service Cloud、Collaboration Cloudといった各Salesforceのアプリケーションに関する知識を有する証明となります。

28種類という資格の多さが特徴です。CRMコンサルタントを目指すなら「管理者/CRMコンサルタント」の取得が最適でしょう。

合格すればSalesforce CRMにおけるソリューションの設計・実装ができるコンサルタントとして認定されます。

中小企業診断士

中小企業診断士は、コンサルティング業界全般で使える資格です。ITに関することはもちろん、経済学や企業法務、情報システムなど企業経営の基礎を学べます。

CRMコンサルタントが取得すれば、クライアントへさらに高度な提案ができるようになります。

ただし、中小企業診断士は出題範囲の広い難関資格です。一般的に1,000時間以上の学習時間が必要とされています。

ITサービスマネージャ試験

ITサービスマネージャ試験は経済産業省認定の資格です。

システムの運用保守に関わるエンジニア向けの資格ですが、CRMコンサルタントで求められる効率的なシステム運用やプロジェクト管理についても学べます。

情報システム運用のマネジメントだけでなく専門的な技術も問われる試験で、難易度は高めです。

CRMコンサルティングの有名企業

CRMコンサルティングを部門に持つ有名企業は次のとおりです。

  • アビームコンサルティング
  • アクセンチュア
  • デロイトトーマツコンサルティング
  • PwCコンサルティング

顧客の価値観が多様化している現在、大手のIT系コンサルティングファームではCRM部門を有しているのが一般的です。

アビームコンサルティング以外はすべて外資系企業であり、CRMコンサルタントの世界は英語や中国語などの語学力を持ったグローバルな人材が重宝される傾向にあります。

ITコンサルティング案件の単価・年収相場

ITコンサルティング案件の単価・年収相場を会社員とフリーランスに分けて紹介します。

会社員の平均年収

経済産業省の「我が国におけるIT人材の動向(※1)」によると、会社勤務のITコンサルタントの平均年収は800〜1,500万円程度です。

CRMコンサルの場合は、エントリークラスのコンサルタントは400〜700万円が相場(※2)で、ITコンサルタント全般で見ると低い傾向にあります。しかしプロジェクトマネージャークラスでは800〜1,200万円程度、パートナークラスは1,500〜2,000万円程度(※3)まで上がっていくのが特徴です。

外資系のCRMコンサルタントなら年収1,000万円以上(※4)のケースもあり、勤務年数やスキルによっても年収が変動していることがわかります。

出典:

※1 我が国におけるIT人材の動向(P.5)

※2 dodaの掲載求人をもとに推定

※3 転職情報サイト「KOTORA JOURNAL」

※4 ITプロパートナーズ「アトオシ」

フリーランスの単価相場

案件の内容やコンサルタントの経歴によって差はありますが、フリーランスのITコンサルタントの平均的な単価は150万円から200万円程度です。規模の小さいIT系コンサルティングプロジェクトになれば100万円程度まで下がる(※5)こともあります。

弊社Liberty Nationに在籍するCRM(IT)コンサルタントの年収は約2,000万円、月単価ベースで100〜350万円です。

このように単価相場にばらつきがありますが、自身の専門知識を上手にクライアントへ売り込めば単価の高い仕事も受けられます。

出典:

※5 株式会社ストラテジーテック・コンサルティング 「ContactEARTH for Expert」

ITコンサルタントやフリーランスのコンサルタントの年収事情をより詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事も読んでみてください。

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フリーランスコンサルタントとは?年収や案件の獲得方法などを徹底解説!

まとめ

CRMコンサルタントは、各コンサルティングファームで活躍してきた経験者が活躍する業界です。未経験者であればコンサルティングに関するスキルアップや資格の取得を目指しましょう。

転職や中途採用のほか、フリーランスとして独立することも可能です。たとえ実績が浅くても案件を探せるプラットフォームを活用すれば単価の高い案件獲得も目指せるでしょう。

弊社Liberty Nationではフリーランスとクライアントのマッチングサービスを展開しています。フリーランスのCRMコンサルタントに興味のある方は、ぜひ以下バナーよりご登録ください。

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